制度需給

容量市場のペナルティ、市場応札と供給指示で分ける案

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ひとことで

電力広域的運営推進機関と資源エネルギー庁は9月1日の第76回容量市場の在り方等に関する検討会で、安定電源のペナルティレートを決めるZ時間の見直し案を示した。現在は市場応札と供給指示で同じ90時間を使うが、需給がひっ迫したときの供給指示により重いペナルティを課すため2つを分ける案と、対象コマ自体を見直す案の2案が並んだ。

安定電源の経済的ペナルティは、リクワイアメント未達成量にペナルティレートを掛けて求める。ペナルティレートは容量確保契約金額を契約容量とZ時間で割った値で、Zは1年間に低予備率アセスメントの対象になると想定される時間として設定されている。制度創設当初は30時間だったが、2024年度の供給力提供通知の発出実績を踏まえ、2025年4月に90時間へ見直された。

見直しの理由は運用実態のずれである。供給力提供通知は前日17時30分頃以降に広域予備率が1度でも8%を下回ったコマを対象に発出されるが、その大多数のコマは一般送配電事業者の追加供給力対策によってゲートクローズの時点では広域予備率が8%を上回っている。制度設計当初はゲートクローズ時点でなお需給がひっ迫すると想定される時間を対象にZを30時間としていたため、現行の90時間は当初の考え方と前提が変わっている。

事務局は2案を提示した。案1は市場応札と供給指示に対応するZ時間を分け、洗い替えを前提としない適切なペナルティ強度をそれぞれ設定するものである。実際に需給がひっ迫しているときの供給指示への対応には、市場応札より厳格なペナルティ強度を置く。案2は市場応札のアセスメント対象コマを供給指示の発出コマやゲートクローズ時点で広域予備率8%を下回るコマへ見直したうえで、Z時間は同一とし、需給ひっ迫を前提とした強度を設定するものである。

案2には留意点も付いた。現行の市場応札の設計は、供給力提供通知の発出がシグナルとなり、バランス停止機を対象とした時間前市場への応札など事業者の自律的な電源運用を促している面がある。一方でバランス停止機は、スポット市場へのブロック入札や需給調整市場への起動供出を経て未約定だった余力を応札していると考えられ、ブロック入札のない時間前市場での約定可能性は高くないとの指摘もある。事務局は市場応札のリクワイアメントの在り方とあわせて検討する必要があるとした。

発動指令電源についても措置案が示された。追加オークションが開催されない場合、メインオークション落札容量のうち市場退出となった容量に対し、メインオークションで不参加・不落札だった電源や、実効性テストの達成率が100%を上回る電源の過達分を充当する。応札時期を実需給年度に近づけるべきという従来からの指摘への対応策になり得るとした。ただし過度な容量拠出金負担を避けるため、リリースオークションの開催を検討する状況など供給力が十分に見込まれる場合は実施しない。

関連する解説:容量市場デマンド・レスポンス

編集:TERA WHAT編集部

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