ひとことで
電力広域的運営推進機関(OCCTO)は8月24日の第121回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会に、追加の供給力確保策として「容量市場(補完オークション)」の創設案を諮る。実需給の1〜3年前をまとめて募集し、複数年契約も認める。対象は計画上休廃止となっている高経年電源で、コストベースのマルチプライスで調達する。費用は容量拠出金で負担する前提とする。
資料1として8月21日に公表した。まずは2030年度実需給までを念頭に置いた整理で、これまで別々に検討されてきた短期と中期の供給力確保策を一体化する。短期の確保策は、2026年度夏季の東京エリアで実施したkW公募の後継にあたる。
検討の経緯は3つの会合にまたがる。2025年10月31日の第3回次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会で、同様の事態に備えて短期の追加供給力調達の在り方を国とOCCTOで早急に検討することとされた。2026年4月3日の第113回制度検討作業部会では、費用を容量拠出金で負担することを前提に、電源調達・運用の在り方やリクワイアメント、ペナルティ、還付の方法を検討することになった。同年7月14日の第4回電力安定供給ワーキンググループでは、2030年度実需給まで需給が厳しいとの認識から、予備電源を中期の確保策にも活用することとされた。
案では、実需給1〜3年前の各年度に対してまとめて募集を行い、複数年契約を含めてトータルコストが最小となる組み合わせで落札電源を決める。約定方式はマルチプライス、適用期間は1〜3年。毎年別の電源を確保するより同じ電源を複数年まとめて調達するほうが立ち上げコストを含めた総額が安くなり、発電事業者にとっても予見可能性が上がるとした。
必要とされる背景は、電源の新陳代謝が進むなかで休廃止が新設を上回り設備量が減っている一方、需要増などで必要供給力は増えていることにある。補完オークションが対象とするのは需給バランス評価に計上されていない供給力、つまり休廃止が予定されている電源で、計画段階から休廃止となっているため市場での収益が限定的で、事業者に維持のインセンティブが働かない。資料は、既設の高経年電源の割合が多くなり「価格面やリクワイアメントなどの関係で応札されず、メイン・追加AXで確保しきることが難しくなってきているのではないか」と問いかけた。
予備電源との違いは、準供給力として確保するか供給力として確保するかで、実需給断面における稼働の蓋然性の相対的な差にあたる。募集時期(予備電源は実需給2〜3年前)や対象電源は共通点が多く、資料は「個別に募集し契約するよりも必要に応じて立ち上げる可能性のある電源として一括で募集することも考えられるのではないか」とし、国と連携して検討を続けるとした。
残る論点は、中長期の需給見通しにおける調達基準、容量市場の追加オークションおよび予備電源との関係、リクワイアメントなどの詳細要件の3つ。2031年度実需給以降については、長期脱炭素電源オークションやメインオークション、予備電源制度の見直しを含めた供給力確保策全体の国の議論を注視するとした。
編集:TERA WHAT編集部