ひとことで
電力広域的運営推進機関は8月31日の第6回電力安定供給ワーキンググループで、容量市場の補完オークションの在り方を整理して示した。実需給1〜3年前の期間に対してまとめて募集し、複数年契約も可能とする。計画上休廃止となっている高経年電源が対象のため、kW公募と同様にコストベースのマルチプライスで調達し、容量市場の一部を担う仕組みと位置づける。
補完オークションは、短期の供給力確保策と中期の供給力確保策を1つに束ねたものである。短期はkW公募の後継で実需給の直前、中期はメインオークション終了後から実需給までを担う。広域機関は「短期の供給力確保策も中期の供給力確保策も調達対象となる期間が異なるだけ」で、いずれもメインオークションや追加オークションを経てなお供給力が不足する場合を補う手段だとして、両者を合わせて実需給1〜3年前時点の供給力確保策とするのが効率的だとした。
調達の対象は、需給バランス評価で計上されていない供給力、つまり計画上は休廃止が予定されている電源である。こうした電源は市場での収益が限定的で事業者が維持するインセンティブが働かず、価格面やリクワイアメントの関係でメインオークションや追加オークションでは確保しきれなくなっているとの整理である。そのため、事業者がリスクを負わないよう、kW公募と同様にコストベース(収益還元を伴う)で一定程度のインセンティブ等を支払う仕組みとする。
複数年でまとめて調達する理由は費用にある。毎年別の電源を確保するより同じ電源を複数年まとめて調達したほうが、立ち上げコストを考慮するとトータルコストが安くなり、発電事業者にとっても予見可能性が上がって応札しやすくなるとした。落札電源は、複数年契約も含めてトータルコストが最小となる組み合わせで決める。ただし、まだ市場競争力がある電源の休廃止を促さないよう、インセンティブの水準はkW公募からの見直しを検討する。
予備電源との関係も論点に挙がった。補完オークションと予備電源は対象電源や募集時期が共通する点が多く、供給力として確保するか準供給力として確保するかの違いは、実需給断面での稼働の蓋然性の相対的な差だとする。広域機関は、個別に募集して契約するより必要に応じて立ち上げる可能性のある電源として一括で募集することも考えられるとして、国と連携して検討を続けるとした。今後の検討項目は、中長期の需給見通しにおける調達基準、追加オークション・予備電源との関係、リクワイアメントなどの詳細要件の3つである。
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編集:TERA WHAT編集部