脱炭素制度

GX-ETSの費用、当年度の卸価格へ反映する案 排出枠は上下限の中間値で見積もり

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ひとことで

資源エネルギー庁は8月25日の電力事業環境整備ワーキンググループ(第3回)で、排出量取引制度(GX-ETS)への対応で発電事業者に生じる費用を、前年度末時点で合理的に想定した上で当年度のスポット市場の入札価格へ反映する案を示した。想定と実績のずれの事後調整は行わない。排出枠取引市場の開始(2027年度冬を想定)前は、排出枠価格を上下限価格の中間値で見積もる。2026年度の公示価格は上限4,300円、下限1,700円。

GX-ETSは2026年度から法定の義務制度として本格稼働しており、無償枠を超えて排出する発電事業者には排出枠の調達費用が生じる。費用は事業者単位で年度ごとに把握し、kWhあたりの上乗せ単価は費用発生の原因となっているユニットごとの無償枠超過分に応じて按分する。当年度に割り当てられる無償枠は前年度までの発電量実績で決まり、排出量も供給計画に基づく燃料使用量で想定できるため、「N-1年度末時点では、N年度の無償枠と排出量の想定が可能」と整理した。CO2を排出した電力を使う需要家が費用を負担する受益者負担の考え方とも整合するとした。

一方、無償枠が余って生じる収益は、将来の義務達成や脱炭素投資に活用することをコミットすることで、入札価格から控除しない扱いとする。コミットの対象は、会計上の保有義務量の通知日(翌年度11月末日)時点で計上される利益。使途は脱炭素電源への投資のほか、トランジション電源としてのLNG火力の新設・リプレース、既設火力の脱炭素化のための設備改修、水素・アンモニアの燃料供給基盤整備などが対象になるとした。

コミットメントは、収益を取引価格に反映させない全ての発電事業者が対象で、自社サイトでの公表と毎年度の活用状況の公表を求める。資源エネルギー庁によるモニタリングの対象は、市場支配力などの観点から旧一般電気事業者とJERA、電源開発とし、利益計上された無償枠の量や収益の使途の報告を受けて審議会に報告する。GX-ETSの義務対象者が毎年度提出する移行計画との整合も確認する。

ベースロード市場では費用の供出上限価格への織り込みを認め、容量市場では他市場収益として扱い応札価格に反映しない。議論を踏まえ、「適正な電力取引についての指針」やベースロード市場ガイドラインの改定を進める。

編集:TERA WHAT編集部

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