系統制度再エネ

北本直流送電の事業報酬率、「1.5倍以上」を検討 12月の実施案提出前に公知化へ

ニュース一覧へ →

ひとことで

資源エネルギー庁は8月25日の電力事業環境整備ワーキンググループ(第3回)で、北海道・本州間海底直流送電の事業報酬率について「少なくともレベニューキャップ制度における追加事業報酬の水準(通常の1.5倍)を認めることが妥当ではないか」とし、さらに「これまでより高い水準の事業報酬についても検討する必要があるのではないか」と論点を示した。有資格事業者が2026年12月の実施案提出までに考え方の公知化を求めているため、第2規制期間の議論に先行して扱う。

北海道・本州間海底直流送電は、概算工事費1.5〜1.8兆円、海底ケーブル長約800kmの計画で、SPC(特別目的会社)を事業実施主体に想定する。資料は関門連系線(工事費4,412億円、海底ケーブル54km)と比較し、「前例のない規模の投資・長期の建設期間を伴うほか、国内で先行事例が限定的な海底ケーブルを敷設する挑戦的なプロジェクト」と位置づけた。

連系線投資への追加事業報酬(通常の1.5倍)は、マスタープラン策定後に増強方針が決まる連系線には原則設定しないと整理されてきたが、「特に推進すべき政策課題がある場合」は付与を検討するとされ、関門連系線には1.5倍が認められている。北本直流送電も北海道の再エネ導入拡大やレジリエンス強化というエネルギー政策上の重要性から、少なくとも同水準を認めることが妥当とした。

その上で、需要に先行した長期投資を進める挑戦性を踏まえ、より高い水準も検討課題とした。プロジェクトファイナンスを組成するには、プロジェクト収入の中で借入コストを回収でき、リスクに見合ったリターンが確保できる水準が必要になる一方、「系統利用者の負担となるため、その負担が過度に増加しないよう配慮すること」も求めた。諸外国の託送収入制度や事業報酬の考え方は、有識者から紹介を受けて参考にする。

SPCを含む送電事業者に適用される事業報酬率はこれまで明確に定められておらず、事業者から判断基準の明確化を求める声が出ていた。プロジェクトファイナンスの事業報酬率のあり方自体は、レベニューキャップ制度の第2規制期間(2028年度開始)に向けた電力・ガス取引監視等委員会の議論と整合的に検討する。

編集:TERA WHAT編集部

背景を確認する

制度・用語一覧へ
ニュース一覧へ