核燃料サイクルとは
原発の燃料に使うウランは、一度使ったあとも大部分が残り、新たに生まれたプルトニウムも含まれています。使用済燃料を化学的に処理してこの2つを取り出し(再処理)、ウランとプルトニウムを混ぜたMOX燃料に加工して再び原発で使う。この一連の流れが核燃料サイクルです。
日本は、使用済燃料を資源として再利用する「全量再処理」を基本方針としてきました。資源の有効利用に加え、そのまま捨てる場合に比べて高レベル放射性廃棄物の体積を減らせることが理由とされています。
サイクルの流れ
原発で発電
使い終えた燃料は各原発のプールなどで冷却・保管する
MOX燃料で再利用
プルサーマル発電で再び使う。残った廃液はガラス固化して地層処分へ
再処理までの待機場所が中間貯蔵施設(青森県むつ市など)、最後に残る高レベル放射性廃棄物の行き先が地層処分場です。
六ヶ所再処理工場は2026年度中の完成目標
| 施設 | 事業者 | 状況 |
|---|---|---|
| 六ヶ所再処理工場(青森県六ヶ所村) | 日本原燃 | 竣工目標2026年度中(2024年8月に延期を発表。延期は27回目) |
| MOX燃料工場(同) | 日本原燃 | 竣工目標2027年度中 |
| 使用済燃料中間貯蔵施設(青森県むつ市) | リサイクル燃料貯蔵(RFS) | 2024年に事業開始。計画上の貯蔵量5,000トン |
再処理工場は1993年に着工し、トラブルや規制対応で完成時期の延期を重ねてきました。工場が動くまでの間、使用済燃料は各原発のプールと中間貯蔵施設で保管が続きます。むつ市の中間貯蔵施設では2026年8月、出資2社(東京電力ホールディングス・日本原子力発電)以外の電力会社にも搬入を広げる検討が始まりました。
プルサーマルは4基で実施中
回収したプルトニウムをMOX燃料にして、通常の原発(軽水炉)で使うのがプルサーマルです。現在プルサーマルを実施しているのは、関西電力高浜3・4号機、四国電力伊方3号機、九州電力玄海3号機の4基です。
電気事業連合会は2020年12月に、2030年度までに少なくとも12基でプルサーマルを実施する計画を掲げました。実施基数を増やせるかどうかが、プルトニウムを計画どおり消費できるかを左右します。
プルトニウム保有量は約44トン
プルトニウムは核兵器の材料にもなり得るため、保有量は国際的に注視されています。再処理工場が動けば新たにプルトニウムが回収されるので、プルサーマルによる消費とのバランスが政策上の条件になっています。
最終処分は文献調査の段階
再処理後に残る高レベル放射性廃棄物は、ガラスと混ぜて固め、地下300メートルより深くに埋める地層処分を行う計画です。処分地は、文献調査、概要調査、精密調査の3段階で選び、原子力発電環境整備機構(NUMO)が事業を担います。
文献調査は北海道の寿都町・神恵内村(2020年開始、2024年11月に報告書を公表)と佐賀県玄海町(2024年6月開始)で行われています。寿都町と神恵内村は次の概要調査の候補となりましたが(神恵内村は南部の一部区域のみ)、概要調査に進むには知事と市町村長の意見を聴く手続きがあり、処分地はまだ決まっていません。
ニュースを読むときの確認点
核燃料サイクルのニュースは、どの段階の話かを分けて読むと整理しやすくなります。再処理工場の竣工時期は「回収」の入り口、プルサーマルの基数は「消費」のペース、中間貯蔵は「待機場所」、文献調査は「最終処分」の入り口にあたります。
各原発の使用済燃料プールの空き容量は、再処理と中間貯蔵の進み方に左右されます。六ヶ所再処理工場の竣工と、むつの中間貯蔵への搬入計画は、原発の運転継続に直結する数字として確認する価値があります。