2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故後、国内の原子炉は停止しました。現在は、原子力規制委員会の新規制基準に適合し、地元の同意や設備工事を終えた炉から運転を再開しています。
| 区分 | 基数 | 状態 |
|---|---|---|
| 再稼働済み | 15基 | 送電再開まで進んだ炉。定期検査中の炉も含む |
| 設置変更許可済み | 3基 | 規制委の許可後、工事や地元手続きが続く |
| 審査中 | 8基 | 新規制基準への適合性を審査中 |
| 未申請 | 10基 | 新規制基準の審査を申請していない |
| 廃炉 | 24基 | 廃止措置を決定した炉 |
「再稼働済み」は累計です。各炉の運転状況は、定期検査や設備トラブルによって変わります。現在発電している基数を知るには、各社の運転情報を併せて確認します。
第7次エネルギー基本計画の位置づけ
2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画は、再生可能エネルギーと原子力を脱炭素電源として最大限活用する方針を示しました。データセンターや半導体工場の新設、製造工程の電化により、2040年度に向けて電力需要が増える想定が背景にあります。
原子力政策の対象は、既設炉の再稼働と運転、次世代革新炉の開発・設置、核燃料サイクル、廃炉、最終処分、部品供給網、人材の維持です。運転中の炉を増やす短期の施策と、2040年代以降の設備を確保する投資判断が同時に進められています。
電力需給と燃料輸入への影響
原子力発電は、運転中の二酸化炭素排出量が少なく、一定の出力で長時間発電できます。火力発電のLNG、石炭、石油は輸入価格と為替の影響を受けますが、原子力の燃料費が発電費用に占める割合は相対的に小さく、燃料を長期間保管できます。
太陽光と風力の発電量は天候で変わります。原子力は出力調整を得意とする電源ではないため、再エネ、火力、揚水、蓄電池、需要側の調整と組み合わせて需給を運用します。
審査、避難計画、事業者の説明
再稼働までには、原子炉設置変更許可、工事計画認可、保安規定認可、安全対策工事、使用前確認などの手続きがあります。自治体は避難計画を策定し、国は緊急時対応を確認します。審査の進み方と地元手続きが炉ごとに異なるため、許可済みの基数がそのまま運転基数にはなりません。
2026年には、中部電力浜岡原子力発電所の基準地震動の評価をめぐり、審査会合での説明と異なる方法で代表波を選定していた事案が公表されました。原子力規制委員会は浜岡原発の審査を停止しています。基準地震動は耐震設計の前提となる揺れであり、データの選び方と説明内容が審査結果を左右します。
2040年代以降の設備容量
既設炉は運転開始から年数が経過しており、順次廃炉時期を迎えます。運転期間の延長、定期検査期間の短縮、設備利用率の改善で発電量を確保できる範囲には期限があります。
原子力小委員会では、革新軽水炉、SMR、高速炉、高温ガス炉などが検討されています。建設へ進むには、設置場所、規制審査、建設費の回収方法、部品を供給する企業、人材の確保が必要です。今後の具体化を見る際は、建て替えを認める地域と投資回収制度の決定時期が確認点になります。
