審議会資料解説

第76回 容量市場の在り方等に関する検討会募集要綱の確定とZ時間の見直し

長期脱炭素電源オークション第4回の意見募集結果、ペナルティレート(Z時間)の見直し案、追加オークションの約定結果が示されました。

更新日:2026.09.01

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会議情報

2026.09.01 第76回 容量市場の在り方等に関する検討会

資料3で容量市場追加オークションの約定結果、資料4で長期脱炭素電源オークション募集要綱の意見募集結果、資料5で2025年度包括的検証後の検討の方向性が示されました。配布資料3本すべてを扱っています。

出典:電力広域的運営推進機関「第76回 容量市場の在り方等に関する検討会」

資料別の解説

資料4長期脱炭素電源オークション募集要綱に関する意見募集の結果について開く

応札年度2026年度(第4回)の募集要綱案と容量確保契約約款案について、2026年7月21日から8月3日まで実施した意見募集の結果です。25者から合計83件(募集要綱53件、約款30件)が寄せられました。

広域機関は意見を3つに区分しました。理解を深める主旨の質問等が74件(要綱・約款は修正せず、回答と説明会で対応)、明確化の要望が4件(内容を変えない範囲で追記・表現見直し)、制度設計に影響する意見が5件(記載内容を変更)です。

資源エネルギー庁が別途実施した「長期脱炭素電源オークションガイドライン(案)」等への意見募集(7月17日〜8月16日、72件)の結果も、募集要綱・約款へ反映されています。募集要綱と約款は9月2日に公表されました。

制度設計に影響した意見と対応
洋上風力ゼロプレミアム案件の応札単位海洋再エネ整備法にもとづく第2・第3ラウンドの電源は、託送供給等約款の1発電場所でない場合もFIP認定が1つであることから、複数の連系点を合算して1単位として認める
補正項目の個別適用水素・アンモニアの可変費補正の「調達国の消費者物価指数」「米ドル為替レート」、CCSの可変費補正の「米国生産者物価指数」「貯留対象国の企業物価指数」「米ドル為替レート」を、それぞれ自動補正の適用を選択制に。過去の既落札案件にも遡及適用
エネ庁パブコメからの反映①CCSの輸送・貯留費用のOPEXに含まれる燃料費と電気代を別項目として抜き出し、新たな補正指標を設定
エネ庁パブコメからの反映②水素・アンモニアの製造・輸送費およびCCSの輸送・貯留費用のCAPEXは、全体での選択状況にかかわらず個別に自動補正の非適用を選択可
エネ庁パブコメからの反映③LNG専焼火力の他市場収益の固定額還付について、具体的な金額(8,000円/kW/年)の記載を削除。水準と設定方法は国の電力安定供給WGで検討を継続し、結果を約款へ反映
今後の日程制度詳細説明会9月17日/事業者情報の登録10月13〜16日/電源等情報の登録10月19〜23日/期待容量の登録12月9〜15日/応札の受付2027年1月19〜26日

資料本体:資料4「長期脱炭素電源オークション募集要綱に関する意見募集の結果について」(PDF)

資料52025年度包括的検証後の取り組みと各課題における検討の方向性について(電源等区分と需給ひっ迫時に対応するリクワイアメント・ペナルティ)開く

2025年度包括的検証を踏まえた検討課題のうち、安定電源と発動指令電源に関わる区分・リクワイアメント・ペナルティを取り上げました。あわせて、2026年度メインオークション(実需給2030年度)の募集要綱・約款へ反映した4項目(指標価格と需要曲線の見直し、追加オークションで調達を予定する供給力をH3需要の2%とする見直し、期中運開電源の停止日数上限と運開遅延の取扱い、容量停止計画調整のペナルティ精算の見直し)も報告されています。

安定電源の経済的ペナルティは、リクワイアメント未達成量にペナルティレートを掛けて求めます。ペナルティレートは容量確保契約金額を契約容量とZ時間で割った値です。Zは制度創設当初30時間でしたが、2024年度の供給力提供通知の発出実績を踏まえ2025年4月に90時間へ見直されました。

課題は運用実態とのずれです。供給力提供通知は前日17時30分頃以降に広域予備率が1度でも8%を下回ったコマを対象に発出されますが、その大多数は一般送配電事業者の追加供給力対策によってゲートクローズ時点では8%を上回っています。当初はゲートクローズ時点でなお需給がひっ迫すると想定される時間を対象にZを設定していました。

示された検討の方向性
検討① 電源等区分電源の特性に応じた参加区分や調整係数の設定(現行は同一区分である揚水と蓄電池の取扱いなど)
検討② Z時間・案1市場応札と供給指示に対応するZ時間を分け、洗い替えを前提としないペナルティ強度をそれぞれ設定。供給指示への対応には市場応札より厳格な強度を置く
検討② Z時間・案2市場応札のアセスメント対象コマを供給指示の発出コマやGC時点で広域予備率8%を下回るコマへ見直し、Z時間は同一とする。ただし市場応札のリクワイアメントの在り方とあわせた検討が必要
検討③ 発動指令電源追加オークションが開催されない場合、メインオークション落札容量のうち市場退出となった容量へ、メインオークション不参加・不落札の電源や実効性テスト達成率100%超の過達分を充当する。リリースオークションの検討状況など供給力が十分に見込まれる場合は実施しない

資料本体:資料5「2025年度包括的検証後の取り組みと各課題における検討の方向性について(電源等区分と需給ひっ迫時に対応するリクワイアメント・ペナルティ)」(PDF)

資料3容量市場追加オークション約定結果について開く

実需給2027年度の追加オークションの約定結果です。約定総容量は約458万kW、エリアプライスは全エリア10,361円/kW、約定総額は約425億円、落札率は初めて100%となりました。

同じ結果は8月31日の第6回電力安定供給ワーキンググループでも資料3-1〜3-3として扱われ、当サイトでも記事にしています(容量拠出金1兆3,172億円ほか)。本検討会では広域機関の側から約定処理の実務面を報告する位置づけです。

本検討会は資源エネルギー庁と広域機関の共同事務局で開催されており、同じ議題が国の審議会と広域機関の検討会の両方に載ることがあります。

資料本体:資料3「容量市場追加オークション約定結果について」(PDF)

会合から確認できること

この日の会合を境に、長期脱炭素電源オークション第4回の枠組みが確定しました。翌9月2日に募集要綱と約款が公表され、応札は2027年1月19日から受け付けられます。パブリックコメントで動いたのは主に2点で、洋上風力の第2・第3ラウンド案件を1単位で応札できるようにしたことと、物価・為替の自動補正を項目ごとに選べるようにしたことです。後者は既落札案件にも遡って適用されます。逆に決まらなかったのがLNG専焼火力の還付水準で、案にあった8,000円/kW/年という金額は約款から消え、電力安定供給WGでの検討へ送られました。同WGが8月31日に示した試算は平均8,753円/kW/年です。もう一方のペナルティ設計は、供給力提供通知が出ても実際にはひっ迫しないコマが多いという運用実績から、Z時間の置き方を見直す段階に入りました。