ひとことで
中国電力は9月10日の第1435回審査会合で、島根原子力発電所3号炉の確率論的リスク評価(PRA)について、地震・津波のハザードを最新の知見で見直した場合の影響を説明した。内部事象を含むプラント全体の炉心損傷頻度は1炉年あたり9.6×10のマイナス6乗から1.0×10のマイナス5乗になったが、新たに追加すべき事故シーケンスグループはないとした。2025年2月6日の第1317回審査会合での指摘に答えたものである。
見直したのは3つの知見である。地震ハザードは、和久羅山断層に関する知見(2025年10月31日の第1366回審査会合)と日本の活断層総覧に関する知見(2026年8月28日の第1431回審査会合)を反映して震源モデルの諸元を改めた。津波ハザードは、秋田県(2013)の波源モデルを検討対象から外した(2025年6月13日の第1341回審査会合)。島根の地震・津波ハザードは2号炉と3号炉で共通である。
結果は、地震PRAの炉心損傷頻度が4.5×10のマイナス6乗から5.3×10のマイナス6乗へ、津波PRAが1.2×10のマイナス7乗から1.4×10のマイナス7乗へ動いた。中国電力は、地震ハザードは宍道断層による地震が支配的なため見直しの影響はほとんどなく、津波ハザードも外した波源モデルの寄与度が低いと説明した。そのうえで「新たな起因事象の発生や緩和機能の機能喪失に至る損傷モード及び損傷設備の追加はない」として、事故シーケンス選定への影響はないと結論づけた。
事故シーケンスの選定では、2025年4月3日の第1331回審査会合の指摘にも答えた。高圧注水・減圧機能喪失の分析で、原子炉注水の自動起動不能の認知失敗と信号系の共通原因故障が重なる組み合わせが、3号炉では上位に出る理由を問われていた。中国電力は、2号炉は高圧炉心スプレイ系の水位トランスミッタを専用の計装として共通原因故障を分けているのに対し、3号炉はECCSの信号に使う水位トランスミッタがECCS間で共通の計装で共通原因故障を1つにまとめているため、単独の共通原因故障で高圧注水機能の自動起動に失敗する形になると説明した。
同じ日には、可搬型の重大事故等対処設備の保管場所とアクセスルートについても、2025年12月16日の第1377回審査会合の指摘に答えた。周辺斜面の崩壊や道路面のすべりを、地震・津波側の審査の結果を踏まえて改めて説明するよう求められていたもので、3号炉の説明スケジュールもあわせて示された。
編集:TERA WHAT編集部