ひとことで
原子力規制委員会は9月8日、第44回の特定兼用キャスクの設計の型式証明等に係る審査会合を開き、カナデビア(旧日立造船)の型式設計特定機器の型式指定申請について、指摘事項への回答その4を審議した。中性子遮蔽材へのガンマ線照射による水素損失を扱う補足説明資料が3本添えられた。指摘は2024年5月以降で14件に及ぶ。
会合は9月8日11時から12時まで、原子力規制委員会13階A会議室で公開で開かれた。対象はカナデビア株式会社(旧日立造船株式会社)で、区分は「型式証明及び型式指定」である。配布資料は議事次第と、資料1-1「発電用原子炉施設に係る型式設計特定機器の型式指定申請 指摘事項(コメント)への回答(その4)」、資料1-2から1-4の補足説明資料3本である。
兼用キャスクは、使用済燃料の輸送と貯蔵の両方に使える金属製の容器である。発電所の敷地内で使用済燃料を乾式で貯蔵し、そのまま輸送にも使えるため、貯蔵と輸送で容器を詰め替える必要がない。型式指定を受けておけば、個別の機器ごとに一から審査を受ける手間が省ける。関西電力が美浜・高浜で進める乾式貯蔵施設のように、各社が使用済燃料の敷地内貯蔵を広げようとしている局面で、容器側の審査が並行して進んでいる。
今回の論点は遮蔽材の劣化である。補足説明資料の1本目は「ガンマ線照射に対するNS-4-FR(レジン)の水素損失について」、2本目は「中性子遮蔽材へのガンマ線照射による水素損失を考慮した線量当量率への影響評価について」である。中性子の遮蔽は樹脂に含まれる水素が担うため、長期間ガンマ線を浴びて水素が失われると遮蔽の性能が落ちる。3本目は原子炉等規制法の技術基準規則第26条に関する材料・構造健全性(長期健全性)の説明資料である。
指摘は積み上がっている。資料1-1に付された指摘事項リストによると、2024年5月16日の審査会合で受領した5件は、型式証明時の評価と荷重条件等の差異がある技術基準規則6条の津波と7条の竜巻、型式証明にはなく新たに実施した17条と26条の構造強度、外運搬規則への適合性の説明、落下解析で引用した他社試験の適用性、傾斜落下などの定量的な評価、品質管理基準規則への適合性である。2025年2月18日に受領した4件を含め、番号は14まで振られている。
2025年2月18日の指摘には具体的な機種名も出てくる。垂直落下の内部収納物の加速度割増係数と傾斜落下の加速度について、Hitz-P24型で生じる値がどの程度かを示したうえで、評価に用いる値が保守的であることを説明することが求められた。バスケットについては、部品の公差や熱膨張を考慮しても構造強度が適切であること、それを踏まえて臨界解析モデルが適切であることの説明も求められている。品質管理基準への適合性では、材料メーカーの不適切行為を未然に防ぐ観点での供給者への取り組みの説明も指摘に含まれる。
関連する解説:核燃料サイクル、低レベル放射性廃棄物
編集:TERA WHAT編集部