原子力制度

東大の研究炉、325トンのクリアランス承認を申請

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ひとことで

原子力規制委員会は9月7日、第16回のクリアランスに関する審査会合を開き、東京大学が申請した放射能濃度の測定及び評価の方法の承認申請の概要を審議した。対象は東京大学原子炉施設の廃止措置第2段階で発生する解体撤去物で、申請重量は約325トンである。承認を受けたあとに対象物の解体を始める。

申請者は国立大学法人東京大学である。対象の施設は東京大学大学院工学系研究科原子力専攻の東京大学原子炉施設で、所在地は茨城県那珂郡東海村白方白根2の22である。会合は9月7日13時30分から16時30分まで、原子力規制委員会13階BCD会議室で公開で開かれ、東京大学が資料1として承認申請書の概要を、資料2として申請内容の補足説明資料を提出した。

対象物は解体撤去物である。廃止措置の第2段階で原子炉本体の解体撤去により発生するもので、材質はコンクリート類(重コンクリートと普通コンクリート)、炭素鋼、鉛の4種類である。申請重量は約325トンで、内訳は重コンクリートが約200トン、普通コンクリートが約80トン、炭素鋼が約32トン、鉛が約13トンである。発生場所は、重コンクリートが運転位置A・Bの生体遮へい体部分、普通コンクリートが同じくA・B位置の原子炉本体基礎と床部、炭素鋼が全ての運転位置A〜Dの遮へい扉やプラグ等の被覆材とコンクリート内の鉄筋等、鉛がC位置の中速中性子柱の炉心周りのブロックとD位置のB反射板である。

汚染の性格が単純なことが前提になっている。東京大学原子炉は空冷の原子炉で、燃料破損事故もなく、運転にともなう中性子線による放射化汚染だけで二次汚染物はない。燃焼度は1メガワット日毎トン以下、総放射能インベントリは約10ギガベクレル、原子炉の総重量は約1,000トンである。放射化汚染は運転位置Bに全体の97パーセントが集中しており、同社はB位置の運転履歴と放射化計算から重コンクリートの放射化汚染とフルエンス・フラックスの関係を整理し、解体前に採取した試料のコバルト60と鉄55の分析結果と整合することを確認したとしている。

解体の方法も申請の一部である。粉塵が飛散しないように複数のグリーンハウスを設け、乾式コアドリルと乾式ワイヤーソーを用いたブロック状解体工法で、重コンクリート、普通コンクリート、炭素鋼、鉛から成る原子炉本体を解体する。コンクリートブロックの破砕には重機を使う。クリアランスの対象領域の解体は測定及び評価の方法と関係するため、承認を受けてから開始する。ステンレス鋼材と円筒状のプラグ・ポート等は対象から除外する。

クリアランスは、施設で使った資材等に含まれる放射性物質の放射能濃度が国の定める基準以下であることを確認し、放射線による障害の防止のための措置を必要としないものとして扱える制度である。9月3日の第24回CNO意見交換会では、原子力エネルギー協議会が廃止措置の進展にともなって大量かつ広範な対象物の発生が見込まれるとして、放射能濃度の評価手法を標準化する方針を示していた。研究炉の申請は、その標準化が実務でどこまで効くかを測る先行事例にもなる。

関連する解説:クリアランス制度低レベル放射性廃棄物

編集:TERA WHAT編集部

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