ひとことで
日本原燃は9月7日の第592回審査会合で、六ヶ所再処理工場のしゅん工前に「確認運転」を実施する計画を示した。核燃料物質を扱う主要な工程が停止したまま長期化していることを踏まえ、設備の健全性とガラス固化の処理能力を確かめる。過去の試験運転で発生したプルトニウム濃縮液等と高レベル濃縮廃液等を使い、新たなせん断は行わない。
施設は現在ほとんどが止まっている。日本原燃によると、再処理施設はこれまで段階的な試験運転を実施してきたが、核燃料物質を扱う主要な工程、すなわちせん断、溶解、分離、精製、脱硝、ガラス固化などは安全な状態で停止している。試験運転で発生した核燃料物質等は安全な状態で貯蔵し、その安全性を維持するために必要な一部の設備だけが運転を続けている。同社は停止期間が長期化していることを鑑み、施設の信頼性を高める取り組みとして確認運転を実施したいとした。
確認運転の狙いは3つである。1つ目は設備の健全性の確認で、現在停止している設備に詰まりや動作不良といった漏えい以外の不具合が発生しないことを確かめて保全の信頼性を高める。2つ目はガラス固化の確認で、ガラス溶融炉の処理能力を確かめる。3つ目は溶液と廃液の処理で、プルトニウム濃縮液とウラン濃縮液を脱硝し、高レベル濃縮廃液等をガラス固化することで、液体を固体にしてより安定した形態で管理する。あわせて使用前事業者検査として漏えい確認を行う。
保安規定の変更認可申請は2本に分ける。1つは確認運転等に係る変更で、「使用済燃料による総合試験」に係る記載の削除、安全確保に関する取組み方針の追加、高レベル濃縮廃液等の保有量管理としてガラス固化工程が停止したときに再処理を停止する運用の追加、海洋放出管の切離し等の工事に伴う保安上の措置の変更などが入る。もう1つは新規制基準対応に係る変更で、事業変更許可と設工認で記載した設計想定事象への対応や重大事故等への対処に係る運用要求事項を反映する。
安全面の評価も示した。再処理施設本体の系統内に保有する溶液と廃液の現在の放射能量は、重大事故等の対策に対する有効性評価で用いている放射能量に比べ、施設全体で数パーセント程度である。確認運転では新たなせん断を実施せず、系統内に保有する溶液と廃液を用いるため、施設全体としての放射能量は増加しない。液の移送にともなって各設備の液の性状や液量は変わるため、水素爆発と蒸発乾固について移送ルートと移送量を考慮した時間余裕を算定し、いずれも現行の安全対策により重大事故に至る前に対処可能と評価した。
臨界と火災についても整理した。新たなせん断を実施しないことなどから臨界は発生せず、有機溶媒等による火災または爆発は設計基準において多重の安全対策を講じていることから重大事故に至る前に対処可能とした。水素掃気機能が失われた場合は電源車による電源供給とエンジン付き空気コンプレッサーによる圧縮空気の供給、崩壊熱除去機能が失われた場合は電源車による電源供給と冷却コイルへの注水等で対応する。要員の力量を保つため保安規定にもとづく訓練を年1回、電源車などの動作確認を月1回行っている。
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編集:TERA WHAT編集部