ひとことで
ATENAは9月3日の第24回CNO意見交換会に資料1を出し、クリアランスにおける放射能濃度の評価手法を標準化する方針を示した。既往の蓄積データを全プラントから集めて分析対象核種の選定の考え方を整理し、核種組成比の評価手順と不確かさのデータ処理方法を標準化する。2026年度中に技術レポートを制定し、2028年度から2030年度に各社の審査で使う想定である。
クリアランスは、廃止措置などで発生する物のうち放射能濃度が十分に低いものを、国の確認を受けて放射性廃棄物として扱わなくてよいものとする制度である。ATENAは廃止措置と放射性廃棄物の処理処分の分野で、技術的知見や実績を踏まえた合理的な評価を可能とする共通手順の整備を課題の一つに挙げてきた。2025年10月9日のCNO意見交換会でクリアランスを含む廃止措置の課題認識と取組みを説明しており、その後、放射能評価手法の具体的な検討が進んだとして今回の提案に至った。
背景には量の問題がある。ATENAは「廃止措置の進展に伴い、大量かつ広範なクリアランス対象物の発生が見込まれる」とし、これらを円滑にクリアランスするには、審査経験や既存の分析データを活用して核種選定、核種組成比、不確かさ評価をより合理的に評価できる共通手順の整備が重要だと説明した。現在用いている手法では、不確かさや長寿命核種の評価において保守性が過大となり、適切な評価が難しくなる恐れがあるケースもあるという。
標準化は3つの柱で進める。1つ目は既往の蓄積データを全プラントから収集し、分析対象核種を選定する考え方を整理すること、2つ目は核種組成比を評価する手順を標準化すること、3つ目は不確かさの評価に係るデータ処理方法を標準化することである。あわせて、過去の審査で論点になった汚染履歴が不明確な対象物への対応方針も検討した。成果はATENA技術レポートとして取りまとめる。
資料は審査対応の論点を6つ挙げた。既存分析データを活用したプラント・系統の分類やサンプリング対象の設定、汚染履歴が一部不明な場合や複数系統を混在して保管している場合の評価方法、核種濃度比・核種組成比の設定ロジック、放射化計算条件の保守的な設定方法、評価の不確かさや保守性を考慮した評価方法、放射化汚染と二次的な汚染が混在する場合の評価方法である。このうち3つには、審査基準の記載のみでは技術的妥当性に係る解釈や説明に困る場合があるとの印を付けた。
工程は5年がかりである。2026年度に技術的論点と方向性を確認する意見交換と方針整理を行い、技術レポートを制定する。2027年度には標準記載要領への落とし込みの可否や、学会標準規格化・エンドースの要否を判断するための意見交換を行い、2028年度から2030年度に各社の審査で使う。必要に応じて技術レポートを改正する。ATENAは、公開の場での議論を通じて内容を充実させたレポートを個別審査における技術的な参考資料として活用することを目指すとしている。本件は優先的に取り組む案件にも追加された。
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編集:TERA WHAT編集部