原子力制度

規制庁と事業者、匿名の意見交換会を試行 「欠け」を探す

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ひとことで

原子力規制庁とATENAは9月3日の第24回CNO意見交換会に資料4を出し、安全上の「欠け(unknown-unknowns)」を探す4つの活動の実施概要を示した。匿名によるオンラインの意見交換会では、事業者側が各社1名程度、規制庁側が6名程度を匿名で選び、本人が希望する場合にはボイスチェンジャーを使用できる。今秋以降に試行する。

発端は前回の会合である。2026年3月27日の第23回主要原子力施設設置者の原子力部門の責任者との意見交換会(CNO意見交換会)で、原子力規制庁が4点の活動を試行することを提案した。会合では大きな反対はなかったものの、議論の場の設定にあたって参加者への心理的安全性への配慮などをしたうえで、より実効性のある取組みとするよう意見が出ていた。今回はその指摘を受け、規制庁とATENA、中立的な立場のファシリテーターとの間で進め方を調整し、4件それぞれの実施概要を別紙にまとめたものである。

1つ目は他産業の有識者を招く討論会である。宇宙航空研究開発機構(JAXA)で小惑星探査機はやぶさのプロジェクトリーダを務めた國中均氏(現・総合研究大学院大学特任教授)に基調講演を依頼し、事業者・規制関係者・学識経験者など計5名程度でパネルディスカッションを行う。2027年2月18日に予定されているATENAフォーラムで2時間以内を想定し、京都大学の黒崎健教授がファシリテーターを務める。当日は一般公開し、終了後にATENAのホームページで公開する。

2つ目が匿名意見交換会である。事業者側は各社1名程度、規制庁側は6名程度を匿名で選び、Zoomなどのオンライン会議で2グループに分けて2〜3時間程度を2回行う。本年秋から冬頃を想定する。資料は「発言内容を特定組織に不利な形で切り取ったり、直ちに新たな規制要求や個別の審査・検査上の対応に結び付けたりすることは行わない」と明記した。参加者には、所属組織や個別案件の利害を離れ、個人として率直かつ建設的な問題意識を述べる意思が求められる。規制庁側と事業者側の双方とも、組織として発言内容の事前調整や事後確認を行わないことに予め合意しておく必要があるとしている。

3つ目は若手が事故調査報告書を読んで議論する会で、概ね30代までを対象に規制庁側10名程度、事業者側20名程度の計30名程度を募る。6人程度のグループを5つほどつくり、都内で半日程度、本年冬から春頃に実施する。日本原子力学会の倫理部会の研究会という位置づけで調整中で、福島第一原子力発電所事故の現場で対応にあたった経験者の講演も行う。4つ目は発電所へ出向いての意見交換で、2027年3月から6月を予定する。

共通の考え方として、「欠け」を科学的・技術的なものに限定せず、制度面や管理運営面、規制と被規制の関係や業界の慣行等も対象にすると整理した。「欠け」を直接的に探すことのみにこだわらず、規制当局と被規制者双方に「ゆらぎ」を与えることで、既存の取り組みでは浮かび上がりにくい課題や論点をとらえることを試みるという。あくまで試行と位置づけ、欠けが実際に見つかったかどうかを問うのは避ける。意図したとおりに双方へゆらぎを与える議論ができたか、また欠けの端緒をとらえる可能性という点で今後も継続して実施する意義があるか、この2点を見極めることを重視するとしている。

関連する解説:原子力発電所の稼働状況

編集:TERA WHAT編集部

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