ひとことで
ATENAは9月3日の第24回CNO意見交換会に資料3を出し、放射能レベルの低い廃棄物埋設施設について、原子力災害対策特別措置法にもとづく防災の要求をリスクに応じて見直すよう求めた。事業許可を申請中の東海L3廃棄物埋設施設では、保守的な条件でも敷地境界の線量は0.33マイクロシーベルト毎時以下で、通報基準の5マイクロシーベルト毎時を大きく下回ると評価している。
対象は日本原子力発電が事業許可を申請中の東海低レベル放射性廃棄物埋設(東海L3廃棄物埋設施設)である。東海発電所の廃止措置にともなって発生する極低レベル放射性廃棄物を埋設処分する施設で、ATENAは、取り扱う放射能レベルが低く、評価上大きな保守性を考慮した条件下でも放射性物質または放射線の敷地外への影響は限定的であり、臨界の発生も想定されず事象の進展は極めて遅いと説明した。原子力災害対策指針でも、廃棄物埋設施設に対してはPAZおよびUPZの設定が要求されていない。
それでも要求は実用炉と同じである。ATENAは「現行の原子力災害対策特別措置法では、このような低リスクの施設であっても、実用発電用原子炉と同等に、原子力緊急事態を想定した防災業務計画・組織・設備・資機材等が求められ、廃止措置終了までの長期間において維持する必要がある」と指摘した。そのうえで、グレーデッド・アプローチの観点から原子力災害リスクに応じた規制要求とすることについて、面談等を通じて議論したいと求めた。
根拠として3つの被ばく評価を示した。地震で廃棄物埋設地の遮蔽機能が喪失した場合は年1.9×10のマイクロシーベルトで、毎時に換算すると2.2×10のマイナス3乗マイクロシーベルトになる。漏出低減機能が喪失した場合は年5.6マイクロシーベルト、毎時6.4×10のマイナス4乗マイクロシーベルトである。門型クレーンで扱う廃棄物が落下して2個が損傷する事象では毎時0.33マイクロシーベルトだった。いずれも原子力災害の通報基準である毎時5マイクロシーベルトを大きく下回る。
評価条件には大きな保守性を置いている。漏出低減機能の喪失では全42区画の埋設が完了した状態を想定し、放射能量は推定の約1.2倍に設定した。蒸発散と表面流出を見込まず、低透水性覆土と遮水シートの全バリアが喪失して降水量平年値の年1.4メートルが全量浸透するとし、漁獲した海産物は流通による希釈も出荷制限も見込まないとしている。廃棄物の落下では、最大放射能濃度に受入れ最大重量3,900キログラムを掛けた廃棄物2個が同時に損傷するとした。
見直しを求める具体的な箇所も挙げた。原子力事業者防災業務計画(原災法第7条)、原子力防災組織(第8条。10種類の業務ごとに2名以上の配置が必要)、放射線測定設備(第11条第1項。事業所ごとに2式以上)、必要な資機材の整備の4つである。いずれも「原子力施設の状況や特性に依らず一律に要求されている」として、要求の適用除外や共用化などを図る余地があるのではないかと問題提起した。リスクの大きさを踏まえて対策を最適化すれば、規制と事業者の双方のリソースを有効に使えるとしている。
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編集:TERA WHAT編集部