ひとことで
ATENAは9月3日の第24回CNO意見交換会で、優先的に取り組む案件を14件に増やしたと説明した。2025年8月27日に示した11件に浜岡事案と米国標準技術仕様書の反映の2件を加え、今回さらにクリアランスにおける放射能濃度評価手法を追加した。中部電力の不適切事案については、安全文化の劣化から生じたものと受け止めていると述べた。
件数の推移は3段階である。2025年8月27日の「原子力規制委員会とATENA上層部との意見交換」で優先的に取り組む案件11件を提示し、その後の状況変化を踏まえて浜岡事案と米国標準技術仕様書(STS)の保安規定等への反映の2件を追加、これを2026年3月27日の第23回CNO意見交換会で説明していた。今回「クリアランスにおける放射能濃度評価手法について」を新たに1件加え、合計14件となった。
注力先を3つに絞っている。ATENAは重点活動項目の一つに「中長期的な視野を持った安全性向上」を挙げたうえで、その達成には合理的・効率的な安全性向上が不可欠だとして、リスク情報活用、安全性向上評価届出を含む許認可制度等の見直し、規格基準類の早期エンドースに向けた取り組みに注力するとした。リスク情報活用は保安規定・運用に係る範囲、設計に係る範囲、建替プラントに反映すべき事項の3つのスコープに分け、スコープ1をさらに3グループに整理している。
運転中保全は次の段階へ移った。ATENAは「これまでの意見交換での議論を経て、安全に実施できる準備は整ったものと認識」とし、今後は事業者による実機への導入フェーズに入り、その状況をフォローしていくとした。伊方と大飯で現場実証を行っている。重大事故等対処設備の運転上の制限(LCO)については、一部の社が衛星電話等で変更認可申請を済ませており、東京電力と関西電力が申請済みである。他の設備を含めた全体の考え方はATENAで整理したうえで意見交換したいとしている。
燃料の高度化も並行して進む。10×10燃料は、設計・製造をグローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパンが担うA型と、設計を東芝、製造を原子燃料工業が担うB型に分かれ、A型はトピカルレポートの審査後に設置許可を申請する計画である。事故時耐性燃料(ATF)は米国でクロムコーティング被覆管の照射試験中で、PWRの1サイクル照射相当と複数サイクル照射相当の照射挙動を順次評価する。革新軽水炉ではコアキャッチャについて、PWRに加えBWRも含めた物理現象等の意見交換を安全研究の場で行いたいとした。
浜岡の事案には別枠で触れた。中部電力の浜岡原子力発電所で基準地震動の策定に関する不適切事案が発覚したことについて、ATENAは「原子力産業への信頼を損ねる重大な事案」としたうえで、事業者の安全確保に係る活動全体を見直す機会と捉えて改善に努めるとした。さらに「今回の事案が、原子力事業を営むうえでの根幹である安全文化の劣化から生じたものであることを重く受け止めて」おり、日本原子力安全推進協会(JANSI)や電気事業連合会と連携しつつ、その点の改善に注力するとしている。中部電力への報告徴収の回答期限は9月25日である。
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編集:TERA WHAT編集部