ひとことで
原子力規制委員会は9月3日、第1433回の新規制基準適合性に係る審査会合を開き、北海道電力が泊発電所3号機のハロゲン化物消火設備の防護区画の設定について説明した。同機は複数の火災区画へハロンガスを同時に放出する設計で、同社は消防法令上も原子炉等規制法上も妥当だと述べた。主要建屋の防護区画は原子炉建屋11、原子炉補助建屋17の計28である。
会合は9月3日13時30分から14時まで、原子力規制委員会13階A会議室で公開で開かれた。議題は北海道電力の泊発電所3号機の設計及び工事の計画の審査で、資料1-1「泊発電所3号機 ハロゲン化物消火設備の防護区画の設定について」と資料1-2「ハロゲン化物消火設備に係る防護区画設定の妥当性について」の2本が配布された。同日には第1432回の審査会合も開かれたが、こちらは柏崎刈羽6・7号機の特定重大事故等対処施設に係る審査のため非公開だった。
発端は3か月前の指摘である。2026年6月18日の設置変更許可の審査会合「泊発電所3号炉 重大事故等対処施設の設置について(所内常設直流電源設備(3系統目))」で、規制委は「新たに設定する火災区画における火災防護設計の詳細(消火設備と火災区画の関係の他、同時に複数区画に消火設備が噴射するのであれば、退避経路やガスの排気などを含む)は、後段規制の審査においても説明すること」と求めた。北海道電力は、この指摘が3系統目の直流電源設備だけの話にとどまらないとして、3号機の本体施設を対象に説明した。
論点は法令の建て付けにある。ハロゲン化物消火設備は原子炉等規制法の定める火災防護審査基準にもとづき、火災発生時の煙の充満や放射線の影響で消火活動が困難となる火災区画などに設置するものである。一方、消防関係法令にもとづく消火設備は水消火設備である消火栓であり、ハロゲン化物消火設備は任意設置の扱いになる。火災防護審査基準には具体的な設計基準が明示されていないため、同社は消防法令を準用して設計している。
区画の呼び方も2つの法令にまたがる。火災防護審査基準の「火災区域」は耐火壁によって囲まれ他の区域と分離されている建屋内の区域、「火災区画」はそれを細分化し耐火壁・離隔距離・固定式消火設備等により分離された区画を指す。これに対し消防法施行令の「防護区画」は、ハロンガスを放出して必要濃度を形成・保持するため、不燃材料で造られた壁・柱・床・天井等により区画され開口部を放出前に閉鎖する部分に、容積等に応じて消火剤を放出することを定めたものである。北海道電力は、複数の区画を一つの防護区画としてまとめることが明確に否定されているものではないと整理した。
結論として同社は、消火性能が担保され人命安全の確保等への影響がないことを前提に、三次元的に分散した複数の火災区画を統合して一つの防護区画とすることが可能だと述べた。単一の火災区画に対する設計と比べても、消火性能担保、人命安全確保、早期消火、非火災発生区画へのハロンガス放出の影響の4点で同等性を有することを確認したという。防護区画は原子炉建屋が1から11、原子炉補助建屋が12から28で、うち防護区画11はアニュラスに設定した区画である。今後は、消火の必要がない区画からの避難やハロンガスの排気など火災防護設計の詳細を改めて説明するとした。
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編集:TERA WHAT編集部