ひとことで
電力広域的運営推進機関は9月1日の第103回広域系統整備委員会で、広域系統整備計画5件の2026年度第1四半期の進捗を報告した。東京中部間連系設備は佐久間東幹線の増強工事で用地交渉が難航し、運転開始が2031年11月へ遅れる。前回報告では2030年3月以降への変更を検討中としていた。他の4計画は完了時期に変更がない。
東京中部間連系設備は、50ヘルツと60ヘルツの間で電気をやり取りする周波数変換設備を90万kW増強し、210万kWから300万kWにする計画である。2016年6月に整備計画が策定され、概算工事費は1,837億円、事業実施主体は東京電力パワーグリッド、中部電力パワーグリッド、電源開発送変電ネットワークの3社となっている。工事は佐久間周波数変換設備の新設や275kV佐久間東幹線の増強など10件で構成される。
遅れの理由は用地である。事業実施主体は2026年6月末時点の進捗として、佐久間東幹線(山線)増強工事で用地交渉が難航した箇所について土地収用法にもとづく申請手続きを進め、あわせて工法を精査したことで、運転開始時期が2031年11月へ遅れると報告した。この内容は8月21日の第15回計画評価及び検証小委員会で審議済みである。
需給への影響は段階的に和らげる。最終的な運転開始を待たずに、作業停止の順序を組み替え、既設送電線の片回線を使うなどして周波数変換設備の運用容量を段階的に確保し、停止中の発電所を順に運転再開させる。広域機関は、この方法で影響を極力小さくしていることを確認したとしている。
残る4計画に遅れはない。東北東京間連系線は連系線を455万kW増強して573万kWから1,028万kWにする計画で、費用の概算額は3,539億円(工事費1,533億円、運転維持費2,006億円)、完了予定は2027年11月である。北海道本州間連系設備は30万kW増強して90万kWから120万kWにする計画で、概算額1,014億円、2027年度末の完了予定である。中部関西間連系線は2030年6月、中国九州間連系設備は2039年3月の完了予定で、いずれも6月末時点で変更がないことを確認した。進捗の把握は業務規程第62条にもとづくもので、事業実施主体は四半期ごとに情報を提出する。
編集:TERA WHAT編集部