ひとことで
電力広域的運営推進機関は9月1日の第103回広域系統整備委員会で、2031年度の系統混雑に関する中長期見通しを報告した。系統制約による自然変動電源の出力制御電力量は全国合計で7億2,778万kWhとなり、昨年度に示した2030年度想定の2.5倍程度に膨らんだ。東北エリアの増加が3億5,636万kWh分を占める。
見通しは2つのシナリオで算出された。移行シナリオでは自然変動電源の出力制御電力量が全国合計7億2,778万kWh、現行シナリオでは6億6,419万kWhである。エリア別では東北が4億6,432万kWh(前回比+3億5,636万kWh)、北海道が2億4,885万kWh(同+9,838万kWh)と、この2エリアでほぼ全量を占める。東京は845万kWhで1,407万kWh減った。
混雑する設備の数も増える。全国の混雑設備数は移行シナリオで177か所(前回比+40)、現行シナリオで180か所(同+44)となった。基幹系統は35か所・32か所、ローカル系統は142か所・148か所である。広域機関は、基幹系統では再エネ導入拡大により北海道で混雑が進み、ローカル系統では主に東地域と中部で混雑が進むと分析した。蓄電池の連系も拡大要因に含まれる。
時間帯によって現れ方が違う点も示された。ピーク需要断面での出力制御は移行シナリオで0.2万kW、現行シナリオで14.6万kWと小さいが、点灯時間帯にあたる16時から20時の最大出力制御電力は移行シナリオで250万kW程度、現行シナリオで200万kW程度となり、いずれも昨年度より増えた。太陽光以外の再エネと蓄電池の連系が進んだためである。年間の最大出力制御電力をエリアの最大3日平均電力(H3需要)と比べると、北海道が17.4%、東北が現行シナリオで15.2%と、東エリアでは15%を超える見込みとなった。
この見通しは、2026年3月27日の第9回次世代電力系統ワーキンググループで整理された前提条件にもとづく試算である。広域機関は、今後の電源稼働状況や系統運用の変化、カーボンプライシングの導入状況、将来の制度によって見通しは変わり得るため、2031年度の絶対的な見通しではないと注意を促した。一般送配電事業者が公表する空容量や予想潮流とは前提条件も算出方法も異なる。自然変動電源の出力制御に関する部分は、委員会の確認を経て国へ報告される。
編集:TERA WHAT編集部