ひとことで
電力広域的運営推進機関は9月2日、長期脱炭素電源オークションの募集要綱(応札年度2026年度)と容量確保契約約款を公表した。前日の第76回容量市場の在り方等に関する検討会で意見募集の結果が報告され、25者から83件の意見が寄せられていた。応札受付は2027年1月19日から26日までを予定する。
意見募集は7月21日から8月3日まで実施され、25者から合計83件が寄せられた。内訳は募集要綱に関する意見が53件、約款に関する意見が30件である。広域機関は寄せられた意見を3つに区分し、理解を深める主旨の質問等が74件、明確化の要望が4件、制度設計に影響する意見が5件と整理した。要綱や約款の記載を変えたのは後者の9件にあたる。
制度設計に影響する意見は2種類だった。1つは、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律にもとづく洋上風力の第2ラウンド・第3ラウンドの案件について、複数の連系点を持つ場合の応札単位である。広域機関は、託送供給等約款で定める1発電場所でない場合もFIP認定が1つであることから、1単位として認めると回答し、募集要綱を修正した。
もう1つは、物価・金利変動にともなう契約単価の自動補正を個別に選べるようにしてほしいという要望である。上流のプロジェクトや売電契約を円建てで行う場合があるためで、広域機関は水素・アンモニアの可変費補正における「調達国の消費者物価指数」と「米ドル為替レート」、CCSの可変費補正における「米国生産者物価指数」「貯留対象国の企業物価指数」「米ドル為替レート」について、それぞれ自動補正の適用を選択制とした。この選択制は過去の既落札案件にも遡って適用する。
金額が1つ消えた点も要点である。LNG専焼火力が他市場収益の還付方法として「還付の固定化」を選んだ場合の水準について、案では8,000円/kW/年と具体的な金額を書いていたが、公表版では金額を削除し「還付水準額」とした。水準と設定方法は国の電力安定供給ワーキンググループで検討を続け、結果を約款に反映する。同ワーキンググループが8月31日に示した試算では、平均で8,753円/kW/年となっていた。
今後の日程も示された。制度詳細説明会が9月17日、事業者情報の登録が10月13日から16日、電源等情報の登録が10月19日から23日、期待容量の登録が12月9日から15日で、応札の受付は2027年1月19日から26日を予定する。参加登録等の手続きを記した業務マニュアルは3か月程度を目安に公表される。
関連する解説:長期脱炭素電源オークション、電力広域的運営推進機関
編集:TERA WHAT編集部