全国の電力需給を広域で調整する機関
OCCTOは、電気事業法に基づいて2015年4月に設立された認可法人です。発電、小売、送配電などの電気事業者は会員となり、供給計画や需給状況をOCCTOへ報告します。
日本の送電網は北海道、東北、東京などのエリアごとに運用されています。OCCTOは全国の状況を集め、地域間連系線を通じた電力融通や、将来必要になる送電設備を広域の視点で調整します。
東日本大震災を受けて広域運用を強化
2011年の東日本大震災では、発電所の停止によって東日本の供給力が不足しました。地域間連系線の容量や周波数の違いもあり、他地域の余力を十分に送れない場面がありました。
この経験を踏まえ、地域を越えて需給と送電網を調整する仕組みが強化されました。OCCTOは全国の供給計画を取りまとめ、広域連系系統の整備計画を策定し、需給が厳しい場合の融通を指示します。
OCCTOが担う主な業務
| 業務 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 需給監視・供給指示 | 全国の需給を監視し、電力融通や発電量の増加、需要抑制などを指示します。 |
| 供給計画の取りまとめ | 事業者の需要見通し、発電設備、送電設備の計画を集約し、将来の供給力を確認します。 |
| 送電網の計画 | 地域間連系線や基幹送電線の整備方針をまとめ、費用負担を調整します。 |
| 供給力の確保 | 容量市場や予備電源制度を運営し、将来使える発電能力を確保します。 |
| 系統接続の調整 | 送電網へ接続する発電所や大規模需要について、広域的な検討や紛争処理を行います。 |
| 電源・送電線への融資 | 国が認定した大規模電源と地域内・地域間送電線へ、財政投融資などを使って資金を貸します。 |
電力会社・経済産業省・JEPXとの違い
| 組織 | 主な役割 |
|---|---|
| 経済産業省 | 電力政策と制度を設計し、事業者の許認可や監督を行います。 |
| OCCTO | 全国の需給・供給計画・送電網整備を調整し、容量市場などを運営します。 |
| 一般送配電事業者 | 各エリアの送電線と配電線を保有・運用し、日々の需給調整を担います。 |
| JEPX | 電気を売買する卸電力市場を運営します。 |
OCCTOは発電所や送電線を日常的に運転する電力会社ではありません。全国の事業者から情報を集め、エリアを越える調整と制度運営を担います。
既存の貸付制度と改正法による拡充
OCCTOは2024年4月に、認定された送電網整備の事業者に対する貸付制度の運用を始めています。2026年7月成立の改正電気事業法は、財政投融資等を活用し、大規模電源や地域内の基幹送電網などへ資金を回す仕組みを拡充します。事業の認定は国、貸付けの審査・管理はOCCTOが担います。
関連する省令・貸付基準は、9月16日20時20分に意見募集を開始しました。締切は10月15日23時59分です。9月22日時点では公募中の案です。貸付基準案は、2号貸付業務について2027年度以降、貸付総額の4%以上の純資産等と8%以上の高流動性資産を確保することを求めています。詳しい条件はe-Govの意見募集と貸付基準案、検討時点の説明は第8回検証WGの資料解説で確認できます。
需給が厳しい日に確認できる情報
猛暑や発電所停止で供給余力が小さくなると、OCCTOは広域予備率や需給状況を公表します。必要に応じて、他エリアからの融通、発電設備の出力増加、需要抑制などの指示・要請を行います。
予備率は、最大需要に対して供給力がどの程度上回っているかを示す指標です。OCCTOの需給関連情報では、対象エリア、時間帯、予備率、実施した対策を確認します。
