ひとことで
系統用蓄電池をめぐる適時開示が8月31日に3件重なった。JALCOホールディングスは島根県雲南市の高圧系統用蓄電所8.14MWhを取得し、関与する蓄電所は11件・合計約90MWhとなった。多摩川ホールディングスは福岡県みやま市の蓄電所の引渡しを完了して運転を開始し、コレックホールディングスは系統用蓄電池事業への参入を取締役会で決議した。
JALCOホールディングス(東証スタンダード、6625)は取締役会で島根県雲南市の高圧系統用蓄電所の取得を決議し、同日付で契約の締結と決済を完了した。設備容量は8.14MWhで、保有・契約・出資を通じて関与する系統用蓄電所は11件、全体容量は合計約90MWhとなる。事業基盤は東京、東北、中部、九州の各エリアに中国電力エリアが加わり5エリアへ広がった。同社は「特定の地域又は電力エリアに偏ることなく、各地域の市場環境及び系統状況等を踏まえながら案件を選定し、地域分散を図りつつ事業基盤の拡大を進めております」としている。
多摩川ホールディングス(東証スタンダード、6838)は、子会社の多摩川エナジーが取得を進めていた福岡県みやま市瀬高町の系統用蓄電所について、8月31日付で引渡しが完了し同日運転を開始したと公表した。蓄電池出力は約2MW、蓄電池容量は約8MWhで、系統連系は7月1日に完了していた。今後は需給調整市場への参入に必要な手続きと審査を進める。2025年12月4日公表の中期経営計画では2027年10月期の途中で運転開始を計画しており、前倒しが視野に入ったとしている。
コレックホールディングス(6578)は取締役会で系統用蓄電池事業への参入と蓄電池設備の取得を決議した。取得するのは岡山県久米郡の土地と高圧系統用蓄電所で、名称は岡山蓄電所(仮称)である。取得価額は守秘義務により非開示としつつ、連結純資産の30%以上に相当すると開示した。資金は金融機関からの借入で充当し、取得は2026年9月、事業開始は2027年3月を予定する。運営は専門のアグリゲーターへ委託する。
3社に共通するのは、本業が電力ではない点である。JALCOはパチンコホール向け不動産賃貸、多摩川は再生可能エネルギーの開発、コレックはBtoC向けのマーケティングとBPOを主軸としてきた。設備を保有し、市場での運用はアグリゲーターへ委託する形が、非電力系の事業者が参入する際の標準的な組み立てになりつつある。
編集:TERA WHAT編集部