ひとことで
米国の系統運用機関PJMは、7月22日にバージニア州で約4,000MWのデータセンター負荷が予期せず系統から切り離された事象について、8月6日の運用委員会でドミニオンとともに暫定的な調査結果を報告した。PJM史上最大の負荷移行事象で、需給の大きな不均衡と電圧・周波数の大幅な変動が生じた。PJMは大口需要の運転継続要件の見直しを検討している。
ドミニオンの暫定調査によると、発端は7月22日の午前7時56分だった。北部バージニアで機械的な故障により230kVの送電線が自動的に系統から切り離された。事故は正常に除去されたものの、ドミニオンのエリアにあるデータセンターが予期せず系統から解列し、電圧と系統周波数が跳ね上がった。最初の負荷脱落は2,970MWで、データセンターが系統から離れ始めたときに発生している。
PJMは、系統に大きな信頼度上の影響は出なかったとしたうえで、発電と需要の間に大きな不均衡が生じ、電圧と周波数が大きく振れたと説明した。データセンターは系統の事故に反応して系統から切り離れ、非常用発電へ切り替えており、PJMとドミニオンの運用者が速やかに制御措置を取った。
北米電力信頼度協議会(NERC)は事故を「短絡、断線、断続的な接続など電力系統上で起きる事象」と定義している。系統側から見れば送電線1回線の故障は想定内の事象であり、それに対して4,000MW近い需要が一斉に離れる方が系統への影響は大きい。
PJMはこの事象を受けて、系統接続の信頼度要件の見直しを検討している。対象は大口需要、とりわけデータセンターや暗号資産のマイニング施設といった計算負荷で、既存および将来の運転継続(ライドスルー)の基準と運用である。日本でも2028年4月にグリッドコードで特別高圧のFRT要件が強化される予定である。需要側の運転継続をどこまで求めるかは、発電側と並ぶ論点として日米に共通している。
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編集:TERA WHAT編集部