データセンターが使う電力

データセンターでは、計算を行うサーバー、データを送る通信機器、温度を保つ冷却設備、停電時に備える無停電電源装置などが動きます。生成AI向けのGPUを多数設置する施設は、1台当たりの消費電力と冷却負荷が大きくなります。
電力への影響は、年間の使用電力量だけで決まりません。系統から受け取る最大電力、24時間の負荷の動き、立地地域の送変電設備、施設の効率を合わせて確認します。
全国需要は増加を見込む
| 指標 | 年平均の伸び | 見通しの主な要因 |
|---|---|---|
| 最大需要電力 | 0.4%増 | 人口減少と省エネによる減少を、経済成長、データセンター、半導体工場の新増設が上回る |
| 需要電力量 | 0.5%増 |
電力広域的運営推進機関(OCCTO)は、2025年度から2035年度にかけて、全国の最大需要電力が年平均0.4%、需要電力量が0.5%増えると見込んでいます。データセンターと半導体工場は増加要因の一部です。
この数字は全国の電力需要全体を示し、データセンター単独の伸び率ではありません。建設計画の変更や稼働開始の遅れによって、実際の需要が発生する時期も変わります。
立地先の系統容量が重要
受電容量計画する最大電力を、近隣の変電所と送電線から受け取れるか確認します。
工事期間系統増強が必要な場合、施設の建設より受電工事に長い時間がかかることがあります。
増設計画初期の受電量と将来のサーバー増設を分け、段階ごとの接続条件を確認します。大口需要が特定地域へ集中すると、全国の供給力に余裕があっても、立地先の変電所や送電線が制約になります。電力会社への接続検討では、受電電圧、最大電力、利用開始時期、将来の増設を具体的に示します。
PUEで施設の効率を見る
| 確認項目 | 意味 | 読み方 |
|---|---|---|
| PUE | 施設全体の消費電力 ÷ IT機器の消費電力 | 1に近いほど、冷却や電源設備の消費が小さい |
| IT機器の効率 | 同じ計算を行うための電力 | PUEだけでは評価できない |
| 最大需要 | 系統から受け取る最大電力 | 接続設備の容量と料金に関係する |
PUEはPower Usage Effectivenessの略です。例えばPUEが1.3なら、IT機器が使う電力1に対し、施設全体で1.3の電力を使うことを示します。冷却方式、外気温、設備の稼働率によって変わるため、同じ条件で比べます。
2026年4月施行の改正省エネ法により、対象となるデータセンター事業者は、電力使用量、PUE、エネルギー消費原単位、将来目標などを報告し、年度末までに公表する仕組みが導入されました。
冷却と廃熱利用の取り組み

サーバーが使った電気の多くは熱になります。外気冷房、液冷、設備の配置改善などで冷却用電力を減らせます。回収した熱を近隣の施設で使える場合は、地域全体のエネルギー利用も改善できます。
東京電力など3社は2026年7月、東京都の支援を受け、データセンターの廃熱をサーバールームの冷却と近隣の入浴施設、工場で使う事業を始めました。事業期間は2028年3月末までで、削減できる電力量と供給熱量は検証を経て確認します。
