系統のしくみ

グリッドコード

発電設備や蓄電池、一部の需要設備を送配電ネットワークにつなぐときに満たすべき技術要件の総称です。1つの文書にまとまっているわけではなく、国のガイドライン、業界規程、各一般送配電事業者の技術要件に分かれて書かれています。設備を新設・更新する事業者と、機器を作るメーカーに直接効いてきます。

更新日:2026.08.23

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グリッドコードとは

系統につながる設備が守るべき「共通の作法」です。周波数や電圧が変動したときにどう振る舞うか、事故が起きたときに運転を続けるか止まるか、中央給電指令所からの指令にどう応じるかといった内容が定められています。

電源が火力や水力といった同期発電機中心だった時代は、設備そのものの性質が系統を安定させていました。太陽光や蓄電池のようにインバーターを介してつながる電源が増えると、その性質が自動では備わりません。そこで「備えるべき機能」を明文化して求めるのがグリッドコードです。

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どの文書に書かれているか

文書定めている主体位置づけ
電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン資源エネルギー庁国が示す基本的な考え方
系統連系規程日本電気協会業界標準としての具体的な規定
系統連系技術要件各一般送配電事業者実際に接続するときに適用される要件
系統アクセスルール各一般送配電事業者接続の手続きに関する取り決め
送配電等業務指針電力広域的運営推進機関全国大の運用に関わる規定

グリッドコードの要件化とは、この5つの規定類を必要に応じて書き換えることを指します。検討はOCCTOのグリッドコード検討会で行い、要件が固まると各文書の改定へ進みます。

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フェーズに分けて順番に要件化する

すべての要件を一度に決めるのではなく、必要性が高いものから段階的に要件化する進め方をとっています。区分はフェーズ1から4までで、途中に前倒し分の「フェーズ2’」が置かれています。

フェーズ対象の考え方要件化の時期
フェーズ1優先度が高く早期に対応するもの2023年4月に要件化完了
フェーズ2続けて対応するもの2025年4月に要件化完了
フェーズ2’蓄電池の導入状況や最新の知見を踏まえ、2030年を待たずに要件化が必要なもの2027年度の要件化を目標
フェーズ3再エネ導入比率50〜60%程度を想定し、調整力・慣性力・同期化力や系統の保護制御に貢献するもの2030年度の要件化を目標
フェーズ4新規技術や新制度も意識し、主に小容量火力や高圧・低圧を対象とするもの時期を定めず継続検討

フェーズ2’は、もともとフェーズ3で検討する予定だった項目のうち、蓄電池の急速な普及を踏まえて前倒しした区分です。したがって「2030年より前に来る要件」を確認したい事業者は、まずこの区分を見ることになります。

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フェーズ2’で検討している要件

要件主な対象内容
周波数変化の抑制対策(上昇側・低下側)特高の蓄電池事故などで周波数が一定以上ずれたとき、ずれ幅に応じて出力を増減する
瞬動予備力特高の蓄電池周波数の変化に対し、速度調定率に応じて自動で有効電力を調整する
負荷周波数制御(LFC)特高の蓄電池中央給電指令所から数秒〜十数秒ごとに送られる信号に応じて出力を調整する
経済負荷配分制御(EDC)特高の蓄電池中央給電指令所から送られる出力基準値に追従する
発電設備の制御応答性特高の蓄電池ガバナと調定率制御の性能を発揮する
出力の増加(変化)速度の上限特高・高圧・低圧の蓄電池連系点での最大出力変動幅を規定する
周波数変化率耐量(RoCoF)特高・高圧・低圧のFRT対象電源事故時の周波数変化率が大きくなったときの運転継続と制限値を定める
周波数ステップ変化耐量同上事故時の周波数ステップ変化に対する運転継続と制限値を定める
電圧位相変化耐量同上事故時の電圧位相変化に対する運転継続と制限値を定める
電圧変動対策(力率設定)高圧・低圧の蓄電池充放電ごとに力率一定制御の値を設定し、電圧変動を抑える
系統安定化に関する情報提供特高の蓄電池解析に使うシミュレーション用モデルの提供を求める
電圧・無効電力制御(需要設備)高圧・低圧のEV用急速充電器充電電力に応じて無効電力を増減し、電圧変動を抑える
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直近の論点(2026年8月時点)

特高のFRT要件見直し 2026年8月21日の第22回検討会で、特別高圧に連系する太陽光・蓄電池などに、周波数変化率±2Hz/s以内での運転継続を求める案が示されました。適用は2028年4月を予定し、遡及適用は行いません。
蓄電池への周波数調整機能 同じ会合で、特別高圧に連系する2MW以上の蓄電池にLFC・EDC・LFSM-O・LFSM-Uの4機能を求める案が示されました。放電で系統への逆潮流を生じない蓄電池は対象外です。

揚水発電(発電方向)については、10MW以上を対象とする周波数調整機能が2025年4月の系統連系技術要件の改定で既に規定されています。蓄電池は参入目的が多様であることから要件化が見送られ、フェーズ2’で改めて検討されている経緯があります。

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実務で確認する順番

自分の設備がどの区分か 電圧区分(特別高圧・高圧・低圧)、電源種別、容量で対象範囲が分かれます。要件はこの3つの組み合わせで指定されます。
適用時期と遡及の有無 要件化の目標年度と、実際の適用開始時期は別です。遡及適用の有無、新規連系時のみか、機器更新時にも適用されるかを確認します。
接続先の技術要件 最終的に適用されるのは、接続する一般送配電事業者が公表している系統連系技術要件です。エリアごとに記載が異なる場合があります。
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