ひとことで
米国の系統運用機関PJMは8月13日、データセンターなど新規の大口需要を接続するための枠組みを連邦エネルギー規制委員会(FERC)へ申請した。自前の電源を持ち込まない新規大口需要向けに暫定的な供給力サービス(IRAS)を新設し、系統の供給力が危険な水準へ近づいたときは、一般の需要家より先にこれらの需要を抑制または移転させる。60日以内の受理を求めている。
PJMが示した数字は需要増の内訳である。2024年から2030年にかけて予想される電力需要の伸び32GWのうち、30GWがデータセンターによるものだとした。申請書は「前例のない大口需要の追加、とりわけデータセンターが、供給力の不足とそれに伴うリアルタイムの運用上の問題を生んでいる」と述べている。
新設する暫定供給力サービス(Interim Resource Adequacy Service、IRAS)は、自前の新規供給力を持ち込まず、2027年6月に始まる信頼度バックストップ調達でも手当てされていない新規大口需要に適用する。緊急時にはPJMが電力会社へ通知し、これらの需要を減らすか移転させる。順番は明確で、住宅需要家を含む従来の需要家を止める前に、また事前に対価を受け取っている需要抑制契約者へ発動する前に、この抑制が行われる。
支える仕組みが2つある。第一に、電力会社や小売供給事業者に対し、新規大口需要のピーク需要の合計以上の新規供給力を持ち込むよう求める。満たせない場合、PJMは緊急時にそのゾーンへ、新規発電で裏付けられていない新規大口需要の割合に応じた需要抑制を指示する。第二に、既存・新規のすべての大口需要を追跡する大口需要登録簿(Large Load Registry)をPJMが作成・維持し、州や電力会社、規制当局が使えるようにする。
容量市場の扱いも変える。2029/2030年度の容量オークションから、自前の供給力を持ち込まない新規大口需要は、調達すべき将来の電力需要の計算に含めない。今回の申請は2026年3月に導入し7月に拡大した「需要家保護の誓約」に沿ったもので、新規大口需要は「建てるか、持ち込むか、買うか」により自らの需要を満たす電源と電気を確保し、その全額を負担するとしている。
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編集:TERA WHAT編集部