ひとことで
電力広域的運営推進機関(OCCTO)は8月21日、グリッドコード検討会で、特別高圧に連系する2MW以上の蓄電池に周波数調整機能の具備を求める改定案を示した。対象は負荷周波数制御(LFC)、経済負荷配分制御(EDC)、限定的周波数感度モードのLFSM-OとLFSM-Uの4機能。放電により系統への逆潮流を生じない蓄電池は、これらすべての適用対象外とする。適用時期は2028年4月を予定する。
第22回グリッドコード検討会に事務局が資料5として示した。揚水発電(発電方向)については、第16回検討会での整理を経て2025年4月に系統連系技術要件が改定され、既に周波数調整機能が規定されている。一方の蓄電池は、参入目的の多様性を踏まえて要件化を見送り、継続検討となっていた。
対象容量を2MW以上としたのは、既に要件化されている揚水発電の10MW以上が、実質的に特別高圧へ連系する全数を対象とする水準にあたるためとした。需要設備に併設する蓄電池については、ピークカットでの運用時に意図しない充電で契約電力を超過する懸念があるとして、充電が生じるLFSM-Oを適用対象とするかを継続検討とする。高圧・低圧の蓄電池は今回の対象外で、フェーズ4で引き続き検討する。
効果の確認には、2035年断面の周波数シミュレーションを用いた。北海道、東(東北東京)、中西、沖縄の4エリアで、同期発電機が80%出力で運転する慣性を前提に要件化の有無を比べたところ、いずれのエリアでも周波数最下点の改善効果が得られる見込みを得た。
一方で、むだ時間が約1秒あるLFSM対象設備が増えると「周波数振動を助長する可能性がある」ことも確認した。対策として再エネのLFSMリザーブ量を北海道で3%、東北東京で4%、中西で2%に変更すると振動が抑制され、系統慣性を1.3倍にした場合も周波数最下点が改善した。エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス協会(ERA)は、メーカー保証で定められた等価フルサイクル数を超過して保証が失効し、セル全量交換が必要になった場合「容量規模にもよるが数億から数十億の費用が発生する」と指摘した。
費用は開発費と認証試験費の増加で、1機種あたり最大数千万円程度、1台あたり数十万円〜数百万円程度を見込む。遡及適用は行わない。現状は既存の火力発電設備と揚水発電設備で調整力の設備量を確保できており、当面は系統運用に支障を来す恐れがないと判断した。適合性の確認方法の詳細は、引き続き関係者と調整を進める。
編集:TERA WHAT編集部