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水の位置エネルギーとして電気をためる

揚水発電所は、高い場所の上池、低い場所の下池、水車・発電機とポンプなどで構成されます。揚水運転では電気を使って下池の水を上池へ送り、発電運転では上池の水を落として水車を回します。
くみ上げに使った電力量をすべて発電で取り戻せるわけではありません。電気を時間移動させることで、余る時間の電気を不足する時間へ回す価値を生みます。
02
通常の水力発電との違い
| 項目 | 一般の水力発電 | 揚水発電 |
|---|---|---|
| 水の供給 | 河川流量や貯水池への流入 | 下池と上池の間で水を繰り返し使う |
| 発電前の動作 | 自然に流入した水をためる | 電気を使って上池へくみ上げる |
| 主な役割 | 流入量に応じた発電 | 電力貯蔵、ピーク供給、需給調整 |
| 制約 | 河川流量、貯水量 | 上池の水量、揚水時間、発電時間 |
上池の水量は、発電できる電力量(kWh)を左右します。発電出力(kW)が大きくても、水がなくなれば発電を続けられません。
03
再エネ余剰を吸収し、必要な時間に放出
電気が余る太陽光・風力の出力が需要を上回る時間
揚水運転ポンプを動かして上池へ水をためる
発電運転需要増加や再エネ出力低下時に電気を供給
出力制御では、火力発電の抑制、揚水運転による需要創出、地域間連系線の活用などを行った後も余剰が残る場合に、再エネの出力を抑えます。揚水できる量と時間が増えると、余剰電力を受け止められる範囲が広がります。
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卸市場・調整力・容量で価値が変わる
卸電力市場価格が低い時間に揚水し、高い時間に発電する。揚水費用と売電収入の差が収益に影響します。
需給調整市場出力を上げ下げできる能力をΔkWとして提供し、指令時は実際に発電量や揚水量を変えます。
容量市場将来の需要ピーク時に供給できる能力として評価されます。上池の水量を含む供給可能性が前提です。同じ設備を複数の市場で使う場合、発電・揚水計画、上池水量、約定済みの義務が互いに矛盾しないよう管理します。
05
揚水随意契約で調整力を確保

需給調整市場だけで必要量を確保しにくい場合、一般送配電事業者が揚水発電の運用力を随意契約で確保する仕組みがあります。発電事業者の逸失利益、固定費、実際の運用費などは、エリアの契約方式に応じて精算します。
2025年度の5エリアでは、揚水随意契約の単価が需給調整市場の複合商品を下回り、市場・余力活用を含む調整力の総合単価を押し下げました。
| エリア | 契約容量 | 揚水随契単価 | 市場単価 |
|---|---|---|---|
| 中部 | 61万kW | 0.69円 | 5.97円 |
| 東北 | 23万kW | 1.34円 | 6.41円 |
| 関西 | 47万kW | 0.63円 | 7.30円 |
| 北海道 | 34万kW | 4.46円 | 12.99円 |
| 東京 | 最大60万kW | 0.78円 | 6.48円 |
単価は円/ΔkW・h。契約条件と精算項目が異なるため、エリア間の単純な価格比較には向きません。
06
運用で確認するポイント
上池の残量kWだけを見ず、必要な時間に何時間発電できるかを確認します。
揚水の機会価格が低い時間、再エネが余る時間、送電制約を踏まえて水を戻せるかを確認します。
市場との重複スポット、需給調整、容量、随意契約で同じ能力を重ねて約束していないかを確認します。




