会議情報
2026.07.28 第2回 電力事業環境整備WG
資料別の解説
資料3電気事業法の一部を改正する法律の概要開く
改正電気事業法は2026年7月17日に成立し、7月24日に公布された。電力広域的運営推進機関(OCCTO)が、国の認定を受けた大規模な電源や送電網の整備へ融資できる制度を設ける。
一定規模以上の発電所を休止・廃止する際の事前協議、長期間にわたり事業実績がない小売電気事業者の登録取消し、卸電力市場の指定制度、太陽光発電設備の保安対策も盛り込まれた。
融資制度は2026年12月の施行を目指す。発電所の休廃止前協議などは、公布後の準備期間を経て順次施行される。
資料本体:資料3(PDF)
資料4改正電気事業法に基づくファイナンス支援の実施に向けて開く
融資対象は、国の認定を受けた地域間連系線、エリア内の基幹送電線、大規模電源。大規模電源は合計出力50万kW以上を基準とする案が示された。同じ計画として一体的に整備する複数の発電設備は合算できるが、別々の計画をまとめて基準を満たす扱いは認めない。
| 項目 | 事務局案 |
|---|---|
| 大規模電源 | 合計出力50万kW以上 |
| 融資割合 | プロジェクトの資金調達総額の3割程度を基本 |
| 金利 | 民間市場と同程度。社債や銀行融資の金利を参照 |
| 事前相談 | 2026年8月末頃から開始予定 |
| 初回融資 | 2027年3月頃を想定 |
電源は長期脱炭素電源オークションの対象となる脱炭素電源を優先しつつ、安定供給に必要な電源を幅広く審査する。政策上の必要性、供給力への効果、GXへの貢献、事業の実現性、返済可能性を確認する。
OCCTOは融資残高の4%以上の純資産と、8%以上の流動性の高い資産を保有する。融資部門から独立した審査・与信管理部門を置き、年度ごとに業務結果を公表する。制度は施行から5年をめどに検証する。
資料5海外の送電事業における投資回収制度開く
米国、ドイツ、英国で、送電事業者が建設費を回収する仕組みを調査した資料である。国ごとに、規制料金、設備ごとの報酬率、収入の上限・下限などを組み合わせて長期投資を支えている。
英国の国際連系線では「Cap & Floor」制度を採用し、収入が上限を超えた場合は利用者へ還元し、下限を下回った場合は一定の収入を補う。支援期間は原則25年で、事業ごとに資金調達条件を確認して下限を設定する。
国内では、北海道・本州間海底直流送電のような大規模案件でSPCやプロジェクトファイナンスを活用する計画がある。建設期間と投資回収期間が長いため、融資条件と託送料金による回収方法を一体で設計する必要がある。
資料本体:資料5(PDF)
資料6卸取引等における排出量取引制度の取扱いについて開く
GX-ETSの義務履行に伴う費用は、事業者全体の排出量から保有する排出枠を差し引いて算定し、ベンチマークを上回る発電ユニットへ差分に応じて配分する案が示された。卸取引の入札価格へ反映できる費用を、実際の義務と発電所ごとの効率の両面から整理する。
排出枠の売却収益は、卸取引の入札価格へ一律に反映せず、将来のGX投資へ充てる扱いも検討する。経過措置料金では、企業全体の費用・収益を会計基準と整合する形で原価へ反映し、GX投資へ使う売却収益を料金原価の控除から外す場合は使途を確認する。
ベースロード市場では、事業者全体の排出量から保有枠を差し引き、ベースロード電源に配分した排出量へ排出枠価格を掛けて上限価格へ加える案が示された。配分方法と参照価格は引き続き検討する。
ガイドライン改定に時間を要するため、2026年度の第1回ベースロード市場オークションは8月に実施せず、秋頃に開催する案が示された。
資料本体:資料6(PDF) 関連解説:GX-ETSと電力業界/ベースロード市場