制度のしくみ

財政投融資(財投)

国が財投債などで資金を集め、政策上必要で民間だけでは資金を出しにくい長期事業へ融資・出資する仕組みです。補助金のように渡して終わるお金と異なり、融資先が利息を付けて返済します。2026年の電気事業法改正で、大規模な電源と送電線にも使う制度が設けられました。

更新日:2026.09.11

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財政投融資とは

財政投融資は、財投債の発行などで国が調達した資金を使う投融資活動です。財務省は、政策上必要でも民間だけでは対応しにくい長期・低利の資金供給や、大規模・超長期プロジェクトを可能にする仕組みと説明しています。一般に「財投」と呼びます。

具体的な方法は、国が資金を貸す財政融資、国が出資してリスクマネーを供給する産業投資、財投機関の借入れや債券の返済を国が保証する政府保証の3種類です。電力広域機関の電源・送電線向け制度は、財政融資で国から借りた資金を事業者へ貸す形を基本とします。

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お金の流れ

1 国が財投債を発行

財投債は国債の一種です。金融市場から調達したお金は、財政投融資特別会計の財源になります。商品性と発行方法は通常の国債と同じです。

2 財投機関へ融資

国は政策上の必要性と返済の確実性を審査し、地方公共団体、政府関係機関、独立行政法人などへ長期資金を貸します。

3 事業収入から返済

財投機関や最終的な事業者は、利息を付けて返済します。財投債の元利払いは、原則として貸付金の回収で賄います。

国債を発行する点は通常の国債と同じですが、財投債は貸付金の回収を返済原資にします。一般会計の歳出に使い、主に税で返す普通国債とは資金の流れが異なります。

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補助金・普通国債との違い

財政融資、補助金、普通国債の比較
項目財政融資補助金普通国債による歳出
資金の性格返済を前提とする貸付け要件を満たす事業への給付一般会計などの歳出
主な原資財投債、預託金税収、普通国債など普通国債
返済する人借りた財投機関・事業者原則として返済不要国が主に税財源で返済
審査の軸政策上の必要性、民間補完、償還確実性政策目的、対象経費、事業成果予算全体の必要性

財投は国のお金を使うため、有利な融資が自動的に受けられる仕組みではありません。民間金融機関だけで資金を出せない理由と、長期にわたり返済できる収入の両方を審査します。財務省は毎年度の財政投融資計画で、民間で対応できないか、資金が確実に返るかを精査します。

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電力インフラで使う理由

大規模な送電線と発電所は、建設費が大きく、計画から運転開始まで長い時間がかかります。送電線は接続する発電所や需要が増えるまで収入が立ちにくく、発電所も建設中は売電収入がありません。民間金融機関だけでは、工事遅延、制度変更、需要変動などのリスクをすべて引き受けにくい事業です。

2026年改正電気事業法は、経済産業大臣が認定した大規模な地域内・地域間送電線と大規模電源に対し、電力広域的運営推進機関が資金を貸す制度を設けました。電源は広く安定供給に役立つものを対象とし、長期脱炭素電源オークションの対象となる脱炭素電源を優先します。民間融資を呼び込む一部資金として財投を使う設計です。

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広域機関の融資ルール

2026年9月に示された主な基準
融資割合プロジェクト全体の融資総額の30%が基本上限
民間資金民間金融機関のLOIなどを資金調達計画に添付
金利社債利回りと銀行融資を参考に民間水準並み
返済原資長期脱炭素電源オークション、長期PPA、送電線運転開始後の安定収入などを確認
リスクバッファー融資総額の4%以上の純資産を維持
流動性融資総額の8%以上の高流動性資産を確保

広域機関は電源・系統の担当ラインと審査を分け、独立した融資管理室が与信管理を行います。融資対象は経済産業大臣が認定した計画に限り、広域機関は大臣が定める貸付基準に従い、融資前に大臣へ意見を照会します。実績は毎年度、国の審議会へ報告します。

リスクバッファーを使っても国への返済が難しい例外時は、一般送配電事業者から特別会費を回収できます。この費用が託送料金へどう反映されるかは、実際に特別会費が発生した段階で制度上の扱いを確認する必要があります。

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資料を読むときの確認点

融資と補助を分ける

融資は返済が必要です。事業費の何割を広域機関が貸し、民間金融機関がいくら貸すのかを確認します。

返済原資を見る

容量収入、売電契約、託送料金など、長期間の返済を支える収入が何かを確認します。建設費だけでは返済可能性を判断できません。

最終負担を追う

事業が予定どおり進まない場合の損失を誰が負うかを確認します。広域機関の制度には純資産・流動性基準と特別会費があります。