審議会資料解説

第22回 制度設計・監視専門会合卸売・調整力・情報管理

大手電力の卸売条件、市場価格、調整力の調達、揚水発電の契約、発電側課金、非公開情報の管理を横断して確認した会合です。

更新日:2026.07.31

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会議情報

2026.07.31 第22回 制度設計・監視専門会合

資料3から資料8までを対象に、卸電力市場と需給調整市場の競争状態、揚水随意契約の費用、発電側課金の転嫁、一般送配電事業者の情報管理を解説します。

出典:電力・ガス取引監視等委員会「第22回 制度設計・監視専門会合」

資料別の解説

資料3内外無差別な卸売の評価結果案開く

7エリアは確保、東京・中部は改善が残る

旧一般電気事業者とJERAが、自社・グループ内の小売と社外の小売へ公平な条件で電力を卸しているかを評価しました。北海道、東北、北陸、関西、中国、四国、沖縄の7エリアは内外無差別性が確保されているとの案です。

第11回フォローアップの評価案
確保されている北海道、東北、北陸、関西、中国、四国、沖縄
確保されていない東京、中部
評価を保留九州

東京と中部は、JERAとグループ小売の既存契約に関する条件が残った2025年度の取引を評価対象としています。九州は卸販売で売れ残った量があり、追加販売の手続きと結果を確認したうえで2026年秋ごろに改めて評価します。

小売側は販売時期と情報開示の改善を要望

小売事業者からは、年間販売スケジュールを早く示すこと、販売回数を増やすこと、最低入札量や販売結果を開示すること、需要に合わせやすい商品と長期商品を増やすことへの要望が出ました。価格の同一性だけではなく、参加しやすい販売手続きも継続確認の対象です。

資料本体:資料3「内外無差別な卸売の評価結果(案)等」(PDF)

資料42026年1~3月の卸電力市場開く

3月は燃料費上昇で東西とも価格が上昇

平均エリアプライスは東エリアが1月12.52円、2月11.10円、3月13.11円/kWh、西エリアが1月10.45円、2月9.84円、3月11.09円/kWhでした。2月下旬からの中東情勢悪化で火力の燃料費が上がり、3月の売り入札価格に反映されました。

30円/kWh以上となったのは13日、79コマです。このうち北海道だけが高騰したのは9日、39コマで、北海道本州間連系設備の作業と北海道向き潮流、高値の買い入札が背景にあります。

スポット約定量は739億kWh

1~3月のスポット市場約定量は739億kWh、時間前市場は16.5億kWhでした。新電力などは前年同期より買い入札量と買い約定量がともに1.1倍となり、旧一般電気事業者と新電力の双方が買い越しでした。

資料本体:資料4「自主的取組・競争状態のモニタリング報告」(PDF)

資料5需給調整市場の運用開く

東京の三次②平均単価は11.85円から3.75円へ低下

三次調整力②の6月平均約定単価は、北海道と九州を除くエリアで5月より低下しました。東京は11.85円から3.75円/ΔkW・30分となり、想定費用も16.81億円から6.70億円へ減少しました。

一次調整力は北海道や四国など一部で募集量を満たしましたが、多くのエリアで未達が残りました。東京は5月26日、中国は6月10日に揚水随意契約を始め、複合商品の募集量が減っています。

市場外の追加起動費も合わせて見る

余力活用契約による起動費と最低出力費用は、東京が4月20.3億円、5月18.8億円、6月8.4億円でした。市場の約定費用だけでは調整力確保の総費用を把握できないため、揚水随意契約と余力活用を含む調達全体の確認が必要です。

資料本体:資料5「需給調整市場の運用等について」(PDF)

資料62025年度の揚水随意契約開く

5エリアとも市場の複合商品より低い単価

2025年度は中部、東北、関西、北海道、東京の5エリアで、一般送配電事業者が揚水発電の運用力を随意契約で確保しました。契約、交渉、事後精算を確認した結果、問題となる点は見つかりませんでした。

2025年度の揚水随意契約
エリア契約容量揚水随契需給調整市場
中部61万kW0.69円5.97円
東北23万kW1.34円6.41円
関西47万kW0.63円7.30円
北海道34万kW4.46円12.99円
東京最大60万kW0.78円6.48円

単価は円/ΔkW・hです。随意契約は市場・余力活用と組み合わせ、全エリアで調整力の総合調達単価を押し下げました。2026年度は中部、東北、関西、東京、中国で実施し、市場の前日化後も事後監視を続けます。

資料本体:資料6「2025年度揚水随意契約の事後確認結果」(PDF)

資料7発電側課金のアンケート開く

転嫁と立地への影響を年1回調査

発電側課金は2024年4月に始まり、相対契約では発電事業者から小売事業者へ費用の一部を転嫁する想定です。既存契約の見直しが進んでいるか、転嫁額をどう示したか、交渉でトラブルがなかったかを年1回確認します。

2026年度調査では、割引地域が発電所の立地判断にどの程度影響したかを質問へ加えます。廃棄物発電を行う自治体も対象とし、未転嫁やトラブルを回答した事業者には個別ヒアリングを行います。

8月送付、12月以降に結果を報告

8月中旬に調査票を送り、9月中旬に回収、11月に個別ヒアリングを行い、12月以降の専門会合で結果を報告する予定です。一般送配電事業者へ寄せられた帳票形式や電子化の要望も継続して確認します。

資料本体:資料7「発電側課金のアンケート等について」(PDF)

資料8非公開情報の漏えい再発防止開く

北海道2社の集中改善期間を採点

北海道電力ネットワークと北海道電力について、約1年間の集中改善期間を終えた時点の内部統制を評価しました。30点満点の5項目で、北海道電力ネットワークは30、29、29、30、30点、北海道電力は30、28、30、30、30点でした。

両社の改善策は一定の水準に達したと評価されました。リスク評価の実効性、Excelなど利用者部門で管理するツールのアクセス権、共有フォルダの統一的な管理には改善の余地が残ります。

他の19社は委託先管理を継続確認

他の一般送配電事業者とグループ小売・発電会社19社では、双方から業務を受託する委託先と再委託先の管理が進みました。監視等委員会は各社へ結果を返し、委託先管理などの施策を継続してフォローします。

資料本体:資料8「非公開情報の情報漏えいに係る再発防止策」(PDF)

会合から確認できること

卸売の公平性は価格以外の販売手続きまで評価対象となり、需給調整市場は揚水随意契約と余力活用を含む調達全体で費用を見る段階にあります。発電側課金は転嫁実績と立地誘導の検証へ進み、情報管理では委託先、共有フォルダ、利用者部門のツールまで継続監視の対象となっています。