更新日:2026.09.29
ひとことで
中部電力ミライズは電気料金の計算ミスにより、約500万件の契約に総額約12億円を返す。9月29日の報告で、契約を続けている人には12月分の電気料金から順次差し引く方針と分かった。すでに解約した人への連絡方法は検討中。
9月29日追記:中部電力ミライズは経済産業省への報告で、現在も契約中の人には2026年12月分の電気料金から順次、返金分を差し引くと明らかにした。対象は2024年4月から2026年10月までに、計算ミスがあった料金で契約していた人。すでに解約した人にも返金する方針で、郵便や電話、専用のウェブ受付などによる連絡方法を検討している。具体的な手順はまだ公表していない。
同じ報告によると、中部電力は2024年1月に計算ミスを把握し、同年2月初めには料金への影響額も確認していた。しかし修正せず、2月6日に誤った計算を使った料金を国に届け出た。中部電力ミライズへ当時この情報を伝えた客観的な記録はなく、同社も把握していたとまでは確認されていない。
特定小売供給約款は、従量電灯や低圧電力など、電力の小売全面自由化より前に設定した料金メニューの供給条件を定める約款で、いわゆる規制料金にあたる。中部電力ミライズは2024年2月6日、中部電力パワーグリッドなどの託送供給等約款の変更(2024年1月17日認可)を踏まえ、同年4月1日から料金を見直すと経済産業大臣に届け出た。託送料金の見直しは、発電側課金の導入やレベニューキャップ制度の期中調整などに伴うものである。その届出の料金の諸元となる原価を、中部電力が算定していた。
誤りの中身は「月間割引額の年額換算漏れなど」である。これにより、ご家庭の平均モデル(従量電灯B・30A、使用量260kWh)で1か月あたり10円、最大で152円を本来より高く負担している計算になる。対象の契約種別は定額電灯、従量電灯A・B・C、低圧電力、農事用電力などである。2024年4月1日以降に解約した契約口も返還の対象になるが、その件数は精査中で500.9万件(2026年8月時点)には含まれていない。
2026年6月、将来の届出に向けて当時の算定を見直していた際に改めて気づき、調査の過程で2024年1月時点で認識していた以外の算定誤りも判明した。
両社は原因として、算定者・審査者の制度への理解不足、小売料金の単価への影響の重大性を十分に認識していなかったこと、どの部署・役職者まで報告し誰が修正の要否を判断するかが明確でなかったこと、判断が口頭連絡中心で記録が残っていなかったことを挙げた。再発防止策では、影響額や影響範囲にかかわらず主管部門長への報告を必須とし、文書やメールなど記録が残る方法で行う。返金は12月分から始める方針で、解約した人への連絡方法は検討が続く。
編集:TERA WHAT編集部