ひとことで
中部電力ミライズと中部電力は9月10日、2024年4月1日から適用している特定小売供給約款の電気料金に、原価算定の誤りがあったと発表した。発電側課金の導入による3か年合計の発電原価の増加額を501億円と算定していたが、正しくは474億円で、27億円を過大に計上していた。返還の対象は約500.9万件、総額は12億円程度になる。
特定小売供給約款は、従量電灯や低圧電力など、電力の小売全面自由化より前に設定した料金メニューの供給条件を定める約款で、いわゆる規制料金にあたる。中部電力ミライズは2024年2月6日、中部電力パワーグリッドなどの託送供給等約款の変更(2024年1月17日認可)を踏まえ、同年4月1日から料金を見直すと経済産業大臣に届け出た。託送料金の見直しは、発電側課金の導入やレベニューキャップ制度の期中調整などに伴うものである。その届出の料金の諸元となる原価を、中部電力が算定していた。
誤りの中身は「月間割引額の年額換算漏れなど」である。これにより、ご家庭の平均モデル(従量電灯B・30A、使用量260kWh)で1か月あたり10円、最大で152円を本来より高く負担している計算になる。対象の契約種別は定額電灯、従量電灯A・B・C、低圧電力、農事用電力などである。2024年4月1日以降に解約した契約口も返還の対象になるが、その件数は精査中で500.9万件(2026年8月時点)には含まれていない。
誤りに気づいたのは今回が初めてではなかった。2024年1月に中部電力で一部の算定誤りが発覚したが、「重大な誤りであると役職者が認識できず、是正に向けた対応が取られなかった」。2026年6月、将来の届出に向けて当時の算定を見直していた際に改めて気づき、調査の過程で2024年1月時点で認識していた以外の算定誤りも判明した。
両社は原因として、算定者・審査者の制度への理解不足、小売料金の単価への影響の重大性を十分に認識していなかったこと、どの部署・役職者まで報告し誰が修正の要否を判断するかが明確でなかったこと、判断が口頭連絡中心で記録が残っていなかったことを挙げた。再発防止策では、影響額や影響範囲にかかわらず主管部門長への報告を必須とし、文書やメールなど記録が残る方法で行う。返還の具体的な方法は、決まりしだい中部電力ミライズが知らせるとしている。
編集:TERA WHAT編集部