ひとことで
米エネルギー省(DOE)は9月3日、猛暑による停電の恐れを減らすため、カロライナ地域を対象とする緊急命令を出した。連邦電力法202条(c)にもとづく処分で、デューク・エナジー・カロライナに指定ユニットの給電と、信頼度維持に必要な運転の指示を認める。同社が同じ9月3日に申請したもので、有効期間は9月3日から9月8日までである。
命令の中身は2段構えである。1つはデューク・エナジー・カロライナに対し、指定したユニットへ給電し、信頼度を保つために必要な範囲でその運転を命じる権限を認めるものである。もう1つは、同社が送電設備の所有者と協力して、バックアップ電源に運転を指示することを認めるもので、これはエネルギー緊急警報(EEA)のレベル3を宣言する前の最終手段として、またはEEA3の期間中に使うと限定されている。
手続きは申請から即日である。デューク・エナジー・カロライナが9月3日に申請し、DOEが同じ日に命令を出した。有効期間は2026年9月3日から9月8日までで、米国の労働者の日(レイバー・デー)の週末を含む。クリス・ライト・エネルギー長官は、この緊急命令によって米国民がレイバー・デーの週末に手頃な電力を失う心配をしなくてよくなるとコメントした。
同じ週に3件目である。DOEは9月1日に、中部大西洋岸を対象とする緊急命令をPJM向けに出しており、こちらは環境許可の制限を一時的に緩めることと、大口需要家の非常用発電の運転を指示することを認める内容で、有効期間は9月8日までである。同じ9月1日にはフロリダ州の石炭火力に運転継続を命じる緊急命令も出ている。猛暑を理由に、1週間で3件の202条(c)命令が出た形になる。
202条(c)は連邦電力法にもとづく非常時の権限で、エネルギー長官が戦争、電力不足、設備の事故などの緊急事態に際して、発電設備の運転や送電を命じることができる。通常は環境規制や市場のルールに優先して発動される。日本には同じ形の制度はなく、供給力が不足するおそれがある場合は広域機関の指示や需給ひっ迫警報、電力需給ひっ迫時の融通指示といった手段が使われる。
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編集:TERA WHAT編集部