需給運用のことば

需給ひっ迫警報・注意報の違い

電力需給ひっ迫警報は、あらゆる追加供給力対策を踏まえても広域予備率が3%を下回る見通しのときに発令されます。注意報の基準は5%です。前々日の準備情報から計画停電の可能性まで、段階ごとの基準と流れを説明します。

更新日:2026.08.18

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需給ひっ迫警報・注意報とは

需給ひっ迫警報・注意報は、電気の供給力の余裕(予備率)が基準を下回る見通しになったときに、国が節電への協力を呼びかける段階的な周知の仕組みです。資源エネルギー庁は「精度の高いアラートを直前に出すより、一定の余裕をもって早めに段階的に周知する必要がある」として、複数の段階を設けています。

ポイントは、発電所の追加稼働や電力融通など「あらゆる追加供給力対策を踏まえても」基準を下回る場合に発令されることです。単にでんき予報の使用率が高いだけでは発令されません。

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段階ごとの発令基準

段階基準・タイミング内容
準備情報前々日18時頃一般送配電事業者がひっ迫の可能性を発信し、需要家・事業者が対策を準備する時間を確保する
注意報広域予備率5%未満の見通し生活・経済活動に支障のない範囲で最大限の節電協力を呼びかける
警報広域予備率3%未満の見通しより強い節電要請。追加供給力対策を踏まえても3%を下回る場合に発令
計画停電の可能性警報発令後も1%を下回る見通し緊急速報メールで「計画停電実施の可能性」を配信し、実需給の2時間程度前に実施を発表

3%は、国が安定供給に最低限必要としている予備率の水準です。でんき予報の表示でいえば、使用率97%以上の「非常に厳しい」が予備率約3%に対応します。

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判断に使うのは「広域予備率」

発令の判断には、エリア単独の予備率ではなく広域予備率を使います。北海道から九州までの9エリアは地域間連系線でつながっており、各エリアの予備率が均等になるよう連系線を最大限活用して融通したと仮定して計算します。1つのエリアが厳しくても、他エリアからの融通で賄えるなら発令されません。

広域予備率の翌々日までの見通しは、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が「広域予備率Web公表システム」で毎日更新しています。

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警報・注意報が出たら何が起きるか

需要側 国・自治体・小売電気事業者を通じた節電要請が行われます。契約しているDR(ディマンドレスポンス)の発動も増えます。
供給側 電源の追加稼働や他エリアからの融通などの追加供給力対策が順に発動され、決定したものから広域予備率に織り込まれます。

それでも1%を下回る見通しになると、計画停電が現実になります。実施する場合は、不足するエリアだけに負担が集中しないよう、複数エリア(広域ブロック)で分担して行うことが基本とされています。

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2022年3月の東日本ひっ迫が出発点

現在の段階的な枠組みは、2022年3月に東日本で起きた需給ひっ迫の検証から生まれました。総合資源エネルギー調査会の電力・ガス基本政策小委員会が検証を取りまとめ、警報より手前の注意報や準備情報を含む、早めに段階的に知らせる運用へ整理されています。

2024年度以降は広域予備率を軸とした需給運用に移行し、発令の判断も広域予備率でそろえられています。

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実務で確認する点

需給ひっ迫が見込まれる日は、①OCCTOの広域予備率Web公表システムで対象時間帯と広域ブロックを確認する、②自社のDR契約・デマンド管理の発動条件を確認する、③スポット市場価格への影響を織り込む、の3点が出発点になります。

準備情報は一般送配電事業者、警報・注意報は国(資源エネルギー庁)と、発信主体が段階で異なる点も押さえておくと、情報源を探しやすくなります。