ひとことで
原子力規制委員会は9月2日の第30回会合で、九州電力玄海原子力発電所3号機・4号機の発電用原子炉設置変更許可を決定した。地震調査委員会が公表した日本海南西部の海域活断層の長期評価を受けた変更で、基準地震動Ss-7を追加し、基準津波を変更する。申請は2024年7月25日で、2025年8月29日と2026年6月10日に補正されていた。
きっかけは国の地震評価の更新である。地震調査研究推進本部地震調査委員会が「日本海南西部の海域活断層の長期評価(第一版)」を公表したことを受け、九州電力が知見を反映した地震動評価と津波評価を実施した。規制委員会は今回の審査で、敷地に影響を及ぼす地震を既許可の15地震から18地震へ増やすことを確認した。追加されたのは壱岐北東部・警固断層帯による地震、対馬南西沖断層群と第1五島堆断層帯の連動、白島沖断層帯と福智山断層帯の連動である。
地震動評価では検討用地震に壱岐北東部・警固断層帯による地震が加わり、基準地震動Ss-7が追加された。この地震動を作用させた耐震重要施設と兼用キャスクの地盤評価では、基礎底面の地震時最大接地圧が1.72N/mm2で評価基準値の13.7N/mm2を下回り、基礎地盤の最小すべり安全率は2.7で評価基準値の1.5を上回った。基礎底面の最大傾斜は27,000分の1で、評価基準値の目安である2,000分の1を下回っている。
津波では、推定津波高が1.0m以上となる4つを検討波源に選んだ。壱岐北東部・警固断層帯、西山断層帯、対馬南西沖断層群と第1五島堆断層帯の連動、白島沖断層帯と福智山断層帯の連動である。このうち水位上昇側・下降側とも対馬南西沖断層群と第1五島堆断層帯の連動による津波が選定され、すべり量は11.05mとした。基準津波の最大水位上昇量は1.30m、最大水位下降量は0.84mである。
敷地に来る高さは別の数字である。審査書の耐津波設計方針では、遡上解析の結果にもとづき、取水ピット前面の入力津波高さをT.P.+6.0mからT.P.+7.0mへ変更し、敷地北西側前面の入力津波高さを新たにT.P.+14.0mと設定した。防護対象の施設がある敷地の高さはEL.+11.0m以上で、T.P.+7.0mを上回る。T.P.+14.0mに対しては敷地北西側のEL.+16.0mの岩盤部が障壁となり、遡上波は地上部から到達・流入しないと評価された。T.P.は東京湾平均海面を基準とした高さである。
九州電力は同じ日に「玄海原子力発電所における地震動及び津波の評価の見直しについて原子炉設置変更許可をいただきました」と公表した。原子力委員会からは平和の目的以外に利用されるおそれがないとの答申、経済産業大臣からは許可することに異存はないとの回答を得ている。3号機と4号機の審査内容は共通するため、規制委員会は号炉ごとに分けずまとめて審査書に記載した。
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編集:TERA WHAT編集部