ひとことで
資源エネルギー庁は8月25日の電力事業環境整備ワーキンググループ(第3回)で、改正電気事業法に基づく小売電気事業の登録取消しの基準案を示した。2026年7月17日に成立した改正法により、正当な理由なく登録から1年以内に事業を開始しない、または1年以上休止した小売電気事業者の登録を経済産業大臣が取り消せるようになる。既存の審査基準に「正当な理由」の判断基準を追記する。
総合資源エネルギー調査会の次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会の下に置くワーキンググループが25日にオンラインで開き、資料4として示した。休止の判断には、供給計画、発受電月報、電力取引報といった各種報告で電気の供給実績を確認することを想定する。施行時点で1年以上供給実績が確認できない事業者についても「機械的に登録を取り消すのではなく、各事業者における正当な理由の有無について確認していくことを想定している」とした。
基準は、2000年制定の「電気事業法に基づく経済産業大臣の処分に係る審査基準等」に追記する。案では、取消しを免れる「正当な理由」を、休止の原因が「登録を受けた日においては予想されなかった社会的経済的事情の変動などやむを得ない事情である場合」であって、かつ「合理的な期間内に小売電気事業を行う計画がある場合」と定める。両方を満たさなければ取消しの対象になる。
「やむを得ない事情」は個別具体的に確認して判断するため基準には列挙しないが、例として、発電所のトラブルにより供給する電気の調達ができなくなった場合や、需給管理などの重要業務の委託先が事業を休止した場合を挙げた。
背景には、登録だけ残して実態のない小売電気事業者の存在がある。制度全体では、広域機関が8月19日に容量拠出金の滞納で会員名を公表するなど、市場の費用負担に応じない事業者への対応が段階的に整いつつあり、今回の基準は退出ルールの入り口にあたる。改正法の関連規定の施行に合わせて基準を確定させる。
編集:TERA WHAT編集部