ひとことで
資源エネルギー庁は、中長期取引市場の供出総量を全国の年間需要電力量の10%とし、対象発電事業者の発電実績に応じて按分する案を示した。
| 市場全体の供出総量 | 小売電気事業者の年間需要電力量の推定実績 × 10% |
|---|---|
| 各発電事業者の供出量 | 市場全体の供出総量 × 各社の対象発電量の割合 |
| 主な義務対象 | 保有電源の最大出力が合計500万kW以上の発電事業者 |
10%は市場全体で確保する量の目安である。各社の供出量は、自社の販売電力量に一律10%を掛ける計算では決まらない。供給計画に記載する送電端電力量の推定実績を使い、対象となる発電量が多い事業者ほど多く配分する案だ。
太陽光・風力・揚水・蓄電池・FITを控除
按分に使う発電量からは、天候で出力が変わる太陽光と風力、電気を別の時間へ移す揚水発電と蓄電池、売却先が原則決まっているFIT電源を控除する。FIP電源は市場や相対契約で売電できるため、控除対象に含めない案となった。
燃料連動商品の上限を置かない方向
燃料費調整付き商品は最大2種類とする以前の案を見直し、制度上の上限を設けない方向を示した。市場参加者の需要と取引量を見ながら、市場運営者が商品の新設や廃止を判断する。
最低限扱う商品として、3年前・受渡期間1年のベース商品と、1年前・受渡期間1年のベース商品・ミドル商品を示した。各商品には燃料費調整の有無を設定する。商品を増やしすぎると注文が分散するため、開設後の流動性を見て調整する。
買い手が電源エリアを指定する案
エリア指定入札では、全国の注文を一つの取引画面に集め、買い手が約定を希望する電源のエリアを指定する。売り手の電源エリアは約定前に表示せず、価格と指定エリアが一致した注文を約定させる案だ。地域間連系線の混雑で生じるエリア間値差を避けやすくなる一方、指定エリアが異なる注文は約定しない。
3年前商品と1年前商品への配分、未約定分を1年前に再供出させるか、エリア指定入札を採用するかは引き続き検討する。制度全体は中長期取引市場の解説、今回の資料の詳細は第3回WGの資料解説で確認できる。
編集:TERA WHAT編集部