審議会資料解説

第1回 電力事業環境整備WG資料解説

小売自由化からGX-ETS、ベースロード市場、災害時の電力データ利用まで、資料5〜9の論点を確認できます。

更新日:2026.07.08

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会議情報

2026.07.07 第1回 電力事業環境整備WG

出典:資源エネルギー庁「第1回 電力事業環境整備ワーキンググループ」

資料別の解説

資料5電力小売全面自由化の進捗状況について開く

販売電力量に占める新電力のシェアは、2026年3月時点で全体21.9%、低圧26.1%、高圧25.3%、特別高圧11.2%となった。供給区域外の大手電力は新電力に含めず、大手電力の子会社を含む集計である。

小売電気事業者は2026年7月時点で約800者存在する一方、供給実績が確認できない事業者が約250者ある。資料は、小売事業者数と実際に供給する事業者数の差も示した。

家庭向けを含む低圧電灯の加重平均単価は、支援策開始前の2023年1月に約37.8円/kWhだったのに対し、2026年3月は約29.4円/kWh。中東情勢の影響は2026年6月頃から徐々に料金へ反映される見込みとした。

資料本体:資料5(PDF)

資料6経過措置料金の指定解除に係る競争状況の確認結果について開く

経過措置料金は、電力小売全面自由化後に「規制なき独占」を防ぐため、低圧需要家向けの規制料金を一部地域で残した制度である。指定解除では、消費者の認知・スイッチング、十分な競争圧力、競争の持続的確保を総合的に判断する。

2026年3月時点で、沖縄エリアにはシェア5%以上の競争者が2者以上存在する。監視等委員会は、沖縄エリアが指定解除基準を満たす蓋然性があるとの見解を示した。

解除は決定していない。競争者の独立性やシェアの継続性を監視等委員会が精査し、本WGはその状況を確認しながら必要な検討を行う。指定が解除されると、低圧需要家の最終保障供給は一般送配電事業者が担う。

資料本体:資料6(PDF)

資料7卸取引等における排出量取引制度の取扱いについて開く

GX-ETSは2026年度から本格稼働し、2027年度から排出枠の割当てと市場取引を開始する予定。2026〜2032年度は第2フェーズとして無償枠を割り当て、2033年度から発電部門へ有償オークションを段階的に導入する。

卸取引へ反映する費用・収益の捉え方として、資料は二つの案を示した。事業者全体の排出量と無償枠の差分を見る案は制度上の義務や会計処理と整合しやすい。発電ユニットごとの排出原単位とベンチマーク水準の差分を見る案は、発電所ごとの限界費用を使う卸取引実務と整合しやすい。

論点確認する内容
費用・収益の単位事業者全体か、発電ユニットごとか
価格反映の時期排出年度と翌年度の義務履行のずれをどう扱うか
市場規律スポット・ベースロード・需給調整・容量市場等のルールとの関係
小売料金経過措置料金の算定へどう反映するか

この会合では方式を決定していない。費用と収益の扱いを整理した後、各市場の価格ルールとの関係を詰める。

資料本体:資料7(PDF) 関連解説:GX-ETSと電力業界

資料8ベースロード市場について開く

2026年度オークションで約定する2027年度受渡しの1年商品と、2027・2028年度受渡しの2年商品には値差清算を引き続き適用する。補填・徴収を行う値差の閾値は、過年度と同じ計算方法で4%とした。

長期脱炭素電源オークションの落札電源がベースロード市場へ供出する場合の上限価格も検討した。落札電源は固定費相当の容量収入を得る一方、他市場収益の約9割を還付するため、通常の発電平均コストをそのまま使うと費用を二重に回収するおそれがある。

資料は、落札電源のコストを市場価格相当単価で評価し、落札電源以外のコストと平均して供出上限価格を算定する案を示した。

資料本体:資料8(PDF) 関連解説:ベースロード市場

資料9電力データ集約システムの改修について開く

自治体が災害対応に使う電力データは、データ量が大きい、条件検索ができない、生データの加工が難しいという問題が確認された。石川県では防災システムへの取込み時にエラーが起き、初動対応に遅れが生じた事例が示された。

STEP5の改修案は、30分値を48行で持つ縦持ち形式から1日分を1行にする横持ち形式へ変え、契約情報と電力データを結び付けて条件検索を可能にする。簡易グラフ化ツールも公開する。

データ量の低減と検索機能の追加に必要な費用は、政策対応に要する費用として審査後に収入上限へ反映する案である。地図表示など利用者固有の利便機能は、原則として利用者負担とする。

資料本体:資料9(PDF)