ひとことで
東芝、中部電力、新東海製紙は10月14日、静岡県島田市の製紙工場で、熱容量約10MWh級の岩石蓄熱設備の本格的な実証運転を始めたと発表した。電気で岩石に熱をため、紙の乾燥に使う蒸気として取り出す。運転のしやすさやCO2排出削減の効果を検証する。
新東海製紙の島田工場に設置した設備は、工場内の電気の需給に合わせて電気ヒーターを動かし、岩石を詰めた蓄熱槽へ熱をためる。ためた熱を蒸気発生器で取り出し、紙の乾燥に使う。約10MWhは、設備にためられる熱エネルギーの量を示す。
工場で熱が必要になる時間と、電気を有効に使える時間を合わせるため、東芝の技術で蓄熱・放熱の予定を計算し、ヒーターや送風機などを自動制御する。3社は、この規模で運転管理技術と岩石蓄熱を組み合わせた設備は国内初と説明している。
東芝は設備の運用性やCO2削減の効果を検証する。中部電力は700℃級のコンクリート製蓄熱槽の構造が健全に保たれるかを確かめ、導入に向けた市場調査も行う。新東海製紙は、工場内のバイオマス発電の電気を熱需要に合わせて使う。
3社と島田市は2024年に連携協定を結び、設備の建設・運転や、市内のエネルギー収支とCO2削減効果の試算を進めてきた。今回の新しい動きは本格的な実証運転の開始。具体的な開始日や終了予定日、実測した削減量は今回の発表では示していない。
編集:TERA WHAT編集部