ひとことで
日立エナジーとダイキン工業は9月3日、SF6ガスを使わない高電圧開閉装置に用いる特殊ガス成分C4-FNの長期供給に向けた覚書を締結したと発表した。ダイキン傘下のドイツ・フランクフルト拠点で生産し、2027年に稼働を始める。日立エナジーのSF6フリー製品群は世界40か国で4,000件を超える受注を得ている。
SF6(六フッ化硫黄)は、高電圧機器で優れた絶縁性能と遮断性能を得るために広く使われてきた気体である。一方で強力な温室効果ガスでもあり、高電圧機器をSF6フリーにすることは、技術面と環境面の両方で課題になっている。日立エナジーの「EconiQ」製品群はSF6を使わずに従来品と同等の性能と信頼性を確保しており、C4-FNはその絶縁ガス混合物に使われる成分である。
供給を担うのはダイキン傘下の2社である。Daikin Chemical Europe GmbHが日立エナジーへ供給し、生産はDaikin Refrigerants Frankfurt GmbHがドイツ・フランクフルトの拠点で行う。新たな生産体制は2027年に稼働を始める予定で、日立エナジーは重要材料の調達先を複数確保する取り組みの一環と位置付けた。既存のアジアでの供給体制に欧州の拠点が加わる形になる。
需要の拡大が背景にある。EconiQ製品群は世界40か国で4,000件を超える受注を獲得しており、電力会社や産業界が系統の拡張・近代化を進めながらインフラの環境負荷低減をめざす動きに対応している。日立エナジーのハイボルテージプロダクツビジネスユニットCEOのマルクス・ハイムバッハ氏は「世界レベルのドイツ生産拠点が加わることで、供給体制の強じん性が向上する」と述べた。
ダイキン側は化学事業の実績を強調した。化学事業部長の平尾泰久氏は「Daikin Refrigerants Frankfurt GmbHが、電力系統のグローバルバリューチェーンを支える重要な構成要素を生産することを誇りに思う」とコメントしている。同社は化学事業で100年近い経験を持ち、アジア・北米・欧州にネットワークを広げ、「環境ビジョン2050」のもとでSBTi認定の温室効果ガス削減目標を掲げている。日立エナジーはスイスに本社を置き、60か国で5万6,000人以上の従業員を擁する。
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編集:TERA WHAT編集部