ひとことで
米国の系統運用機関PJMは8月19日、新たな5年戦略「Shaping a Powerful Change: PJM Five-Year Strategy」を会員委員会へ提示した。加速する需要の伸びと逼迫する供給力を前提に、信頼性を最優先と位置づけたうえで4つの重点分野を掲げる。策定は2026年1月に理事会の指揮下で始まり、7月に理事会が承認した。
戦略はPJMの立ち位置を「PJMはFERCから認可を受けた地域送電機関(RTO)として公共の利益に資する、使命に基づく組織である。私たちの優先事項は明確で、信頼性が私たちの北極星である」と定義した。信頼性の確保には十分な発電資源が必要であり、PJMは供給力の適切性を主導的に取りまとめると述べている。
4つの重点分野は次のとおりである。第一に、動的さを増す系統を確実に運用する。複雑化する系統に向けて運用を近代化し、人間の判断を強化・加速するAIと自動化の展開を含む次世代の制御室技術を導入する。第二に、持続的な市場インセンティブと州との整合を確保する。供給力の適切性に役割を持つすべての当事者の足並みをそろえ、州や会員と協調して市場改革を進める。第三に、計画プロセスを先回りして適応させる。送電と連系の手続きを加速する。第四に、意思決定の効率を高める。PJMの利害関係者プロセスは別の時代に作られたものだとして、信頼と透明性を保ちながら摩擦を減らすとした。
実現に必要なものとして、AIと自動化を展開する近代的な技術基盤、より速く動き異なる考え方ができる人材、費用効率のよい信頼性の高いサービスの提供の3点を挙げた。手ごろな価格の重要性にも触れ、「PJMは小売料金を設定しないが、当機関の管理下にあるコストについては透明性と説明責任を果たす」としている。
PJMは現在、戦略の施策と会員の優先事項を並べる利害関係者向けの優先順位ロードマップを作成している。多くの活動は今後1〜2年のうちに着手するが、完了までの期間は数か月から数年まで幅があるとした。ガバナンス改革をめぐっては9月1日から連邦エネルギー規制委員会(FERC)の調停が始まる予定で、第四の重点分野はこの動きと重なる。
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編集:TERA WHAT編集部