ひとことで
九州電力は8月27日、筑後川水系の下筌ダムと松原ダムを活用する(仮称)下筌・松原揚水発電所新設計画について、環境影響評価法に基づく計画段階環境配慮書を経済産業大臣へ提出したと公表した。上池を下筌ダム、下池を松原ダムとする構想で、河川管理者である九州地方整備局と連携して2024年6月25日から導入可能性を検討してきた。
計画段階環境配慮書は、環境影響評価法の手続きのうち最も早い段階に置かれるもので、事業の位置や規模を検討する段階で環境保全について配慮すべき事項を整理した書類である。提出後は法に基づいて公告・縦覧し、九州電力のウェブサイトなどでも公表する。今後、地域や関係行政機関の意見を受けながら方法書、準備書、評価書と手続きが進む。
揚水発電は電力需要が少ない時間に上池へ水をくみ上げ、需要が多い時間に下池へ落水させて発電する。既設のダムを使う点が今回の特徴で、九州電力は本検討について「新しい水循環施策の方向性について」(令和6年4月2日、内閣官房水循環政策本部会合)で示された「流域単位での水力エネルギーの有効活用など『流域総合水管理』の推進」に資するものであり、カーボンニュートラルの実現にも寄与すると位置づけている。
揚水発電は数時間から十数時間の単位で電気をためられる設備であり、太陽光の出力が集中する時間帯の余剰を吸収し、日没後に放出する使い方が想定される。新規のダム建設を伴わずに既設ダムの間で揚水を成立させられれば、用地と工期の制約は小さくなる。ただし配慮書は手続きの入り口であり、出力や工期、事業化の可否はこれから詰める段階にある。
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編集:TERA WHAT編集部