制度のしくみ

RE100の要件

事業で使う電力を100%再生可能エネルギーにする国際イニシアチブです。参加企業が守る技術要件(technical criteria)で、認められる電源、調達手段、運転開始からの年数、どの国の電源を使えるかが決まっています。

更新日:2026.08.12

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RE100とは

RE100は、事業活動で使う電力の100%を再生可能エネルギーでまかなうことを掲げる企業の国際イニシアチブで、国際NGOのThe Climate Groupが運営しています。参加企業は毎年、調達実績を開示します。

何を「再エネ100%」と数えてよいかは、技術要件(technical criteria)という文書で決まっています。最新版は2025年3月24日公表の第5.0版で、日本語版も公開されています。参加していない企業でも、再エネ調達の実務ではこの要件が事実上の基準として参照されます。

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認められる電源

再エネとして認められるのは、風力、太陽光、地熱、海洋(波力・潮力)、持続可能なバイオマス(バイオガスを含む)、持続可能な水力の6種類です。バイオマスと水力は、持続可能に発電されたことの担保(第三者認証が推奨)が必要です。

水素は「エネルギーの運び手」であって電源ではないため、この一覧には入っていません。2025年の第5.0版では、石炭との混焼で発電された電力の調達を認めないことが明記されました。

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認められる5つの調達手段

調達手段内容日本での例
1. 自家発電自社が保有する設備で発電して使う屋根置き太陽光の自家消費
2. 発電事業者との直接契約フィジカルPPA、バーチャルPPAオフサイトPPA、差金決済型の契約
3. 小売電気事業者との契約電源特定型の供給契約、再エネメニュー小売の再エネ100%プラン
4. 証書のみの購入電力とは別に環境価値の証書を買う非化石証書(再エネ指定)など
5. パッシブ調達系統から標準で供給される再エネ再エネ比率95%以上の市場などが対象

環境価値の裏付けには、発電の属性を記録した証書(EAC)が必要です。日本では非化石証書がこれにあたります。証書が普及している市場では、PPAや小売契約にも証書の償却を組み込むことが2025年版で要件になりました。

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15年ルール

調達する再エネは、運転開始または設備更新(リパワリング)から15年以内の電源であることが原則です。「15年」は使用を主張する年から数えます。たとえば2025年分の再エネ使用を主張するには、2010年1月1日以降に運転開始した電源が必要です。

古い電源からの調達だけでは新しい再エネ設備の導入につながらない、という「追加性」の考え方が背景にあります。

例外となる調達 自家発電、オンサイト・直接線のPPA、最初の買い手(オリジナルオフテイカー)としての長期・電源特定契約、パッシブ調達など。
15%の枠 総消費電力量の15%までは、15年を超えた電源からの調達も認められます。早期の解消が推奨されています。
過去契約の扱い 2024年1月1日より前に運用を始めた契約は、経過措置としてルールの対象外です。
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市場境界:日本は国内の電源だけ

再エネの使用は、使用する場所と同じ「市場」で発電された電力にもとづく必要があります。日本は単独で1つの市場なので、日本国内の拠点には日本国内の電源・証書しか使えません。海外の安い証書を買って日本の使用分に充てることはできません。

例外として、米国とカナダは1つの市場、欧州では条件を満たす国々(ドイツ、フランスなど)が1つの市場として扱われます。英国やアイルランドは別市場です。

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報告と検証のルール

毎年の開示 調達量とあわせて、電源の運転開始年の開示が求められます。不明な場合は15%枠として数えます。
第三者検証 再エネ電力の使用量は第三者の検証が必要です。温室効果ガスの監査報告書で代えられます。
小規模拠点の除外 1市場あたり年100MWhまで、合計年500MWhまでの小さな拠点は、対象から外すことができます。
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実務で確認する点

日本企業がRE100対応の調達を組むときは、非化石証書(再エネ指定)やコーポレートPPAが中心になります。契約前に、対象電源の運転開始年が15年ルールを満たすか、証書の種類が要件に合うか、契約が「最初の買い手」としての長期契約にあたるか(あたれば15年を超えても使い続けられる)を確認します。

2027年以降は、FIT開始初期(2012年度前後)に運転を始めた太陽光が順次15年を超えます。既設電源の環境価値を使い続けたい場合は、15%枠に収まるか、例外にあたる契約へ組み替えられるかが論点になります。