力率は電気を有効に使えた割合
交流の電気では、送られた電力のすべてがモーターの回転や照明などの仕事に使われるとは限りません。有効に使われた電力と、設備へ送るために必要な電力との比率を力率と呼びます。
力率100%に近いほど、同じ仕事を少ない電流で行えます。力率が低いと送配電設備や需要家設備に流れる電流が増え、設備容量や損失への負担が大きくなります。
85%から1%動くごとに基本料金も1%調整
| 平均力率 | 基本料金の調整 | 調整係数 |
|---|---|---|
| 100% | 15%割引 | 0.85 |
| 95% | 10%割引 | 0.90 |
| 85% | 調整なし | 1.00 |
| 80% | 5%割増し | 1.05 |
東京電力エナジーパートナーの2026年4月実施の高圧・特別高圧向け約款では、力率が85%を上回る1%につき基本料金を1%割引し、85%を下回る1%につき1%割り増します。計算式の調整部分は「(185-力率)÷100」と表せます。
力率100%なら15万円割引
| 力率調整前 | 基本料金単価 × 契約電力 = 100万円 |
|---|---|
| 力率100% | 100万円 × 0.85 = 85万円 |
| 力率85% | 100万円 × 1.00 = 100万円 |
| 力率80% | 100万円 × 1.05 = 105万円 |
力率による調整は基本料金に掛けます。電力量料金、燃料費調整額、再エネ賦課金まで同じ割合で安くなる仕組みではありません。契約電力が同じでも、力率によって毎月の基本料金が変わります。
契約中の基本料金で試算する
「基本料金単価 × 契約電力」で求めた、力率調整前の月額を入力してください。請求書の調整済み基本料金を入れると、割引を二重に計算してしまいます。
85%基準・1ポイントにつき1%調整する契約の概算です。表示は小数第2位まで。電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金は含めず、税を別に加算しません。端数処理、日割り、全く使わない月の半額措置などは反映していません。実際の請求額は契約先の約款で確認してください。
月間の平均力率を料金に使う
東京電力EPの約款では、毎日午前8時から午後10時までの平均力率を使い、瞬間的に進み力率となる場合は100%として扱います。まったく電気を使わない月は力率85%とみなします。測定時間や端数処理は契約先の約款で確認します。
モーターや変圧器で力率が下がりやすい
コンデンサを過大にすると進み力率となり、電圧上昇や高調波との共振など別の問題を起こす可能性があります。設備の稼働状況を測り、電気主任技術者や専門事業者と容量・制御方法を確認します。
契約メニューと請求書で確認する項目
基本料金は、力率に加えて契約電力とデマンド値にも左右されます。力率を改善しても契約電力が上がれば、基本料金全体は増えることがあります。二つの数値を分けて管理します。
