原子力電源

大飯3号機の自動停止、ヒューズ72個中36個が溶断

ニュース一覧へ →

ひとことで

関西電力は9月1日、8月8日に発電機が自動停止した大飯発電所3号機の調査状況を公表した。励磁機の回転整流器でダイオードモジュール1個に放熱板の溶損やダイオードの転倒などが見つかり、保護用ヒューズは全72個のうち36個が動作していた。出力118万kWの同機は停止中で、励磁機をメーカ工場へ搬出して詳細調査を進めている。

事象が起きたのは8月8日23時56分である。定格熱出力一定運転中だった大飯3号機で「界磁喪失」警報が発信し、発電機が自動停止、これに伴って原子炉も自動停止した。界磁喪失は発電機内の磁界が失われた際に発信する警報である。関西電力は環境への放射能の影響はないとしている。

調査は発電機、励磁機、自動電圧調整器(AVR)の3つを対象に進められた。発電機については回転子に磁力を発生させる電気回路を点検して異常がないことを確認し、AVRも外観と外部接続端子の点検で異常がないことを確認した。残る励磁機で損傷が見つかった。

励磁機の回転整流器には、ダイオードモジュールと保護用ヒューズが環状に並んでいる。点検の結果、ダイオードモジュールの1つに放熱板の溶損、ダイオードの転倒、固定用絶縁ボルトの折損、接続線の断線が確認された。近接する別のダイオードモジュールの一部にも損傷があり、回転整流器の周辺には黒い付着物が飛散していた。保護用ヒューズはダイオードモジュールのプラス側とマイナス側に1個ずつ計72個が配置されており、そのうち36個が動作(溶断)していた。励磁機に接続されたケーブルに異常はなかった。

関西電力は、事象発生時に発電機や励磁機の電流・電圧のパラメータに影響を与えるような運転操作や作業は実施していないことも確認した。今後は励磁機をメーカ工場へ搬出し、回転整流器の内部点検、黒い付着物の成分分析、接続線の断線箇所の断面観察などの詳細調査を実施する。同社の9月1日時点の運営状況では、大飯3号機は停止中、高浜1・2・4号機と大飯4号機が運転中、高浜3号機が第28回定期検査中(2026年12月上旬まで)である。

関連する解説:原子力発電所の稼働状況

編集:TERA WHAT編集部

背景を確認する

制度・用語一覧へ
ニュース一覧へ