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原子力電源

大飯3号機の自動停止、ヒューズ72個中36個が溶断

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更新日:2026.10.02

ひとことで

関西電力は10月2日、大飯原発3号機の8月の自動停止について、電気が通る粉じんとブラシの破片が重なり、発電機の補助装置内で短絡したと推定した。装置を交換し、絶縁を強める。10月5日から定期検査を始め、再起動時期は対策の進み具合を踏まえて検討する。

10月2日:原因・対策の報告と定期検査

発電機に必要な磁力をつくる補助装置(励磁機)の中で、電気が通る粉じんがたまり、欠けたブラシの破片も入り込んだとみている。電気が通らないようにする絶縁が損なわれ、意図しない経路へ電流が流れる短絡が起きたと推定した。

関西電力は励磁機を交換し、内部の放熱板の側面に絶縁用の樹脂を塗る。粉じんとブラシの破片が付いた場合にも絶縁性能を保つ対策とする。10月2日に原因と対策を原子力規制委員会へ報告した。

停止中の3号機は10月5日から第22回定期検査に入る。当初は2026年12月下旬の起動、2027年1月下旬の本格運転再開を予定していたが、今後の時期は対策の実施状況を踏まえて検討する。

9月1日:調査状況の公表

事象が起きたのは8月8日23時56分である。定格熱出力一定運転中だった大飯3号機で「界磁喪失」警報が発信し、発電機が自動停止、これに伴って原子炉も自動停止した。界磁喪失は発電機内の磁界が失われた際に発信する警報である。関西電力は環境への放射能の影響はないとしている。

調査は発電機、励磁機、自動電圧調整器(AVR)の3つを対象に進められた。発電機については回転子に磁力を発生させる電気回路を点検して異常がないことを確認し、AVRも外観と外部接続端子の点検で異常がないことを確認した。残る励磁機で損傷が見つかった。

励磁機の回転整流器には、ダイオードモジュールと保護用ヒューズが環状に並んでいる。点検の結果、ダイオードモジュールの1つに放熱板の溶損、ダイオードの転倒、固定用絶縁ボルトの折損、接続線の断線が確認された。近接する別のダイオードモジュールの一部にも損傷があり、回転整流器の周辺には黒い付着物が飛散していた。保護用ヒューズはダイオードモジュールのプラス側とマイナス側に1個ずつ計72個が配置されており、そのうち36個が動作(溶断)していた。励磁機に接続されたケーブルに異常はなかった。

関西電力は、事象発生時に発電機や励磁機の電流・電圧のパラメータに影響を与えるような運転操作や作業は実施していないことも確認した。9月1日時点では励磁機をメーカ工場へ搬出し、回転整流器の内部点検、黒い付着物の成分分析、接続線の断線箇所の断面観察などの詳細調査を実施する方針だった。同社の9月1日時点の運営状況では、大飯3号機は停止中、高浜1・2・4号機と大飯4号機が運転中、高浜3号機が第28回定期検査中(2026年12月上旬まで)である。

関連する解説:原子力発電所の稼働状況

編集:TERA WHAT編集部

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