ひとことで
米エネルギー情報局(EIA)は9月1日、2026年上半期の米国のLNG輸出が日量174億立方フィートとなり、前年同期を23%上回ったと公表した。大規模輸出を始めた2016年以降で最も速い伸びである。アジア向けは日量23億立方フィート増の108%増と倍増し、東アジアの指標価格JKMは100万Btuあたり15.56ドルと4年ぶりの高値をつけた。
伸びを支えたのは新設と増設である。プラクミンズLNGはフル稼働で輸出しており、コーパスクリスティのステージ3は7系列のうち6系列が稼働中である。この2つが完成すると米国の公称輸出能力は合わせて日量40億立方フィート増える。ゴールデンパスLNGは2026年4月に輸出を開始し、1系列目で日量7億立方フィートの公称能力を加える。2系列目は2026年後半の完成が見込まれる。
価格も輸出を後押しした。2026年3月にホルムズ海峡を通るLNGの出荷が滞り、世界のLNG供給の20%にあたるカタール産を中心に途絶した。カタール産の約8割を輸入するアジアの買い手がスポット市場で限られた貨物を奪い合う形となり、価格が上昇した。欧州の指標であるオランダTTFの上半期平均は100万Btuあたり14.74ドルで、前年同期の13.10ドルから上昇し、ロシアのウクライナ侵攻があった2022年上半期の32.42ドル以来の高さとなった。
東アジア向けの指標であるジャパン・コリア・マーカー(JKM)の上半期平均は100万Btuあたり15.56ドルで、前年同期を2.38ドル上回った。2022年の29.00ドル以来4年ぶりの高値である。域内の猛暑がスポット需要を押し上げたとEIAは分析している。日本のLNG調達コストに直結する指標であり、高値が続けば火力の燃料費を通じて電気料金に影響する。
仕向地の構成は大きく変わった。ホルムズ海峡の閉鎖に伴う市場の混乱で、アジア向けは前年同期比で日量23億立方フィート増の108%増と倍増した。欧州向けは日量0.1億立方フィート増の1%増にとどまる。中南米・カリブ海と中東・北アフリカ向けは合わせて日量8億立方フィート増の46%増だった。仕向国の上位はエジプトの日量17億立方フィート、オランダの17億立方フィート、イタリアの14億立方フィート、フランスの12億立方フィート、英国の11億立方フィートである。EIAは短期エネルギー見通しで、2026年下半期の米国のLNG輸出を日量173億立方フィート、2027年上半期を187億立方フィートと見込む。
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編集:TERA WHAT編集部