ひとことで
四国電力は8月27日、通常運転中の伊方発電所3号機で安全保護系の計器である過大温度ΔTに不信頼を示す信号が発信し、8月26日22時10分に保安規定に定める運転上の制限から逸脱したと判断したと公表した。全4チャンネルのうち1チャンネルで、残る3チャンネルの動作可能を確認して当該チャンネルをバイパスし、27日3時38分に逸脱から復帰した。
過大温度ΔTは、原子炉内の燃料を保護するために原子炉出力、加圧器圧力、一次冷却材温度から算出される制限値である。原子炉の出口と入口の温度差がこの制限値を超えると、原子炉の自動停止機能が動作する。保安規定は4チャンネルを所要することを運転上の制限として定めており、残り3チャンネルが動作可能であることを条件に1チャンネルのバイパスを認めている。
四国電力は中央制御室で不信頼を示す信号を確認し、現地確認によって全4チャンネルのうち1チャンネルであることを特定した。保安規定にもとづき残り3チャンネルの動作可能を確認したうえで当該チャンネルをバイパスし、8月27日3時38分に運転上の制限の逸脱から復帰した。逸脱の宣言から復帰までは5時間28分である。
復旧はその後も続いた。当該チャンネルの入力部の基板を予備品に取り替え、中央制御室で不信頼を示す信号が復帰していることを確認したうえでバイパスを解除し、同日4時17分に通常状態へ戻った。四国電力は本事象によるプラントへの影響と環境への放射能の影響はないとしており、今後詳細を調査する。
運転上の制限は、多重の安全機能を確保するため、予備を含めて動作可能な機器の必要台数等を保安規定で定めたものである。一時的にこれを満たさない状態が生じると、事業者は逸脱を宣言して速やかに修理等の措置を行うことが求められる。措置を講じれば保安規定違反には当たらない。原子力規制委員会は8月27日に四国電力から報告を受理し、9月2日の第30回会合で原子力施設等におけるトピックスとして報告した。
編集:TERA WHAT編集部