JOGMECは6月12日、米国の原油輸出ポテンシャルに関する分析を公表した。米国はシェール革命で世界最大の産油国となり、原油と石油製品の合計では2020年以降に純輸出国となったが、原油単体ではなお純輸入国だと整理している。
分析では、2026年にホルムズ海峡が通行困難になったことを受け、米国の原油輸出が急増し、特にアジア向けが伸びているとした。2026年4月には米国の原油輸出量が前月比約30%増となり、4月24日までの週には日量644万バレルで過去最高を記録したという。
一方で、米国原油は軽質が中心で、中東原油は中重質が多い。日本を含むアジアの製油所が求める原油性状と必ずしも一致しないうえ、米国からアジアへの輸送距離、パナマ運河の混雑、タンカー不足、西海岸やアラスカの輸出インフラ制約もある。
JOGMECは、米国が一時的に中東からアジアへの原油供給減少を補う役割は担えるものの、中東の完全な代替にはなれないとみている。日本の燃料安全保障では、調達先の国名を増やすだけで解決せず、原油の質、輸送ルート、港湾設備、在庫政策まで含めた設計が必要になる。