AP通信は6月12日、トランプ米大統領がイラン戦争終結に向けた協議で前進があったと主張したことを受け、世界株が上昇し、原油価格が4%超下落したと報じた。ホルムズ海峡の再開期待が市場に広がり、供給リスクの一部が和らいだ形だ。
国際指標のブレント原油は4.5%下落して1バレル=86.31ドル、米国産原油は4.3%下落して83.90ドルとなった。APは、ホルムズ海峡が世界の石油・ガス輸送の重要水路であり、大部分が閉じた状態だったため、高い原油価格が世界的なインフレ圧力を強めてきたと説明している。
ただし、86ドル台のブレント原油は、2月下旬に戦争が始まる前の70ドル前後よりなお高い。市場は協議進展を好感しているが、通航再開、保険料、配船、実際の輸出量が正常化するまでは、燃料調達コストの下振れを確実視しにくい。
日本にとっては、原油価格の一時的な下落よりも、ホルムズ海峡を通る燃料輸送が安定的に戻るかが重要になる。価格が落ち着けば電気・ガス料金や石油製品価格への圧力は緩むが、地政学リスクが再燃すれば調達条件はすぐに揺れ戻す。