Business Recorderが配信したロイター記事は6月9日、原油価格が前日の上昇分の多くを削り、ブレント原油が一時1バレル=92.92ドル、WTI原油が89.57ドルまで下げたと伝えた。イランとイスラエルが米国の呼びかけを受けて攻撃を停止したと表明し、市場では短期的な過熱感がいったん和らいだ。
ただし、記事は両国が攻撃再開の可能性にも触れていると説明している。週末のイスラエルによるイラン攻撃とレバノンでの攻撃を受け、前日の原油価格は最大5%上昇していた。停戦期待で価格は下げたが、中東の供給不安が消えたとは言い切れない状態だ。
焦点はホルムズ海峡の通航にも残る。米国は和平協議でホルムズ海峡の再開をイランに求めており、同海峡は米国とイスラエルの対イラン空爆前に世界の石油供給の約5分の1が通過していたと報じられている。日本は原油とLNGの多くを輸入に頼るため、海上輸送の制限は価格、保険料、配船に響きやすい。
6月9日の値下がりは一息つく材料だが、夏の電気・ガス料金や石油化学製品のコストを見るうえでは、価格水準よりも供給ルートの不確実性が重い。完全な封鎖に至らなくても、航路制限や警戒航行が続けば、日本の燃料調達コストは高止まりしやすい。